枕を上手に活用

枕には汗を吸収させるためのタオルをまく

人が就寝中にかく汗は、想像以上に頭部に集中します。また、意外に発汗していることを知らない人も多いのです。それだけ、枕は布団以上に汗を吸っているということです。そこで、タオルを一枚巻いてから枕カバーをかけるようにしておけば、これが汗を吸い取り、枕への吸収をかなり防ぐことができます。タオルなら、枕カバーといっしょに毎日でも洗うことができるので、頻繁に洗うのはむずかしい枕も、いつも清潔に気持ちよく使うことができます。

ハーブも役立つ

ハーブの安眠効果は広く知られているところです。いつも使っている枕にも、ハーブでひと工夫してみませんか?
ラベンダーのドライハープを枕に使えば、安眠の助けになります。といっても、ハーブばかりでつくれば高くついてしまうので、ほんのひとにぎり、小袋などにハーブを入れて枕の中にしのばせておくだけでも効果はあります。赤ちゃんの夜泣きにも効果があるとされています。

心地よい香りのコロンを活用

おだやかな眠りを誘う香りとしては、ラベンダーやマジョラムなどが、だれにでも効果があるとされています。しかし、何もハープばかりがアロマテラピーではありません。たとえば、彼氏や彼女がいつもつけているコロンの香りをかぐと、なんとなく心が落ち着くという場合もあるでしょう。そういうコロンを枕などにつけてみるのもいいです。

枕は必須

女性の年齢は首に出ます。そこで、首にシワが寄らないようにするには枕なしで寝たほうがいい、などという説が、もっともらしくいわれたりします。たしかに、首が伸びるからシワのためにはいいような気がしますが、実は美容上からいえば逆効果のほうが高く、枕を使わないのはおすすめできません。枕なしでは頚椎が伸びてしまい、その負担は眠りを浅くするうえ、翌朝には顔がむくみやすくなるのです。熟睡は、内面からの美容のために欠かせないものです。女性におすすめの女性のための健康枕はこちら

快眠・安眠のための枕(一覧)

枕も工夫次第

自分に合う枕がない場合

どうしても高さの合う枕がない、とがっかりする必要はありません。バスタオルが1枚あれば、悩みは解消します。大きめのものを四つ折りにすれば、それを枕代わりにすることができます。高さが不足ならもう1つ折るなど、調節は自由だし、毎日でも洗えて清潔さも維持できます。大きめのバスタオルも肌触りのいいものを選ぶとより効果的です。

抱き枕で安眠

母親の胎内にいたとき、人は小さく丸まっています。大人になっても、心に不安やストレスを抱えていると、気がつかないうちに体を丸めて眠っていることがあるのです。これは、いくらかでも、だれかに守られていたいという無意識の行動なのかもしれません。
そんなとき、抱き枕があると入眠しやすくなり、安眠につがなります。気がつくと掛け布団を丸めて抱くような格好をしていることがある人は、バカにしないで大きなぬいぐるみでも何でも、一つベッドに入れてみるといいです。
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腰にあてる枕

枕は、頭に当てて寝るばかりではありません。睡眠前のリラックスに役立つ小豆枕があります。15~20×10センチの袋を縫って、その中に小豆を詰めて口をしばります。
この枕を布団に入ってから腰に当ててマッサージするように動かします。ほかに肩や首など、凝っている、疲れていると思う部分に2~3分ずつあてがうだけで、体がほぐれてきて眠りにつきやすくなります。
OA機器の発達により、パソコンやスマホ、携帯などを使う人が多く、肩や背中の凝りなどが原因でなかなか入眠できない人が増えています。
就寝前に少しでも「気持ちいい」程度のマッサージを行うだけでも効果があります。

間違った枕選び

高すぎる枕

朝起きて肩こりや背中のこりといった不快な症状がある人は、枕の高さを見直してみるといいでしょう。

「枕を高くして寝る」というのは、安心して眠ることができることの比喩ですが、高すぎる枕では、実際には安心して眠ることはできません。寝るときにいちばん良い姿勢は、人間が自然に立っているときの状態です。枕が高くなると、前に首を突き出した姿勢になり、首が痛くなったり、腰痛を起こしたりします。また、気道が狭くなるため、イビキの原因になることもあります。
では、自分に合った枕はどのようにして見つけたらいいのでしょうか?
自分にとって最適な高さの枕を選ぶチェックポイントは、自分が寝ていて気持ちいいということよりも、自然な姿勢で休めるかどうかということです。それはどんな人でも同じように目安となるものがあります。
横になり、枕を当てた状態で肩の下に手が入るかどうか確かめてみます。ラクラク入るようなら高すぎです。これだと、浮き上がった筋肉が一晩中、緊張していることになるので、朝には肩こりとか首が痛いといった症状に悩まされます。
良いのは、差しこんだ手に軽い圧力を感じるくらいが最適な高さです。

横向きで寝た場合の高さもみる

枕の高さを調節するとき、ただ仰向けに寝ただけで決めてはいけません。夜中に寝返りをうつ際に横向きになったりすることがありますから、そのときの高さも確認しておかなければ、安眠を得られる枕にはなりません。
極端に頭が上がったり下がったりしないよう、頭部から背骨にかけてのラインがまっすぐになる高さに調節しましょう。

枕の高さが自分に合っているかどうか、自分の顔で確認する方法もあります。体を横にしたときの顔が、怒ったように見えたり、頬のあたりに緊張が感じられたりするようなら、枕の高さが合っていない証拠です。自分に良い枕で寝ると、自分でもわかるくらい顔がほころぶはずです。

小さい枕は要注意

睡眠中ずっと同じ姿勢で寝ている人はいません。寝返りを打って横向きになったり、くるっと反対向きになったりと、何度も体勢が変わります。だから、枕が小さいとそのたびに頭がずり落ちてしまいます。それを防ぐには、最低でも45×65センチくらいのサイズが必要です。
また、大きさと同じように素材も大切なポイントです。人は寝ているあいだも発汗していますが、それは頭部でとくに発散させなくてはならない頭寒足熱の原則からいってもポイントとなります。ウレタンや化学繊維の枕は、通気性の点では快眠に対してデメリットになります。とくに夏は寝苦しさを増長させます。
日本では昔からそばがら枕が良いとされてきましたが、これも、現在では清潔さの点で疑問符がつくというので開発されたのが、パイプ素材です。
ストロー状のプラスチックなので、中身ごと洗って干せる点が最大のメリットです。

枕の高さや大きさは、本来、その人個人の身長や首の長さなど体型によって変えなければ、安眠できる最適な枕にはなりません。
それが、市販の枕だとあらかじめサイズも硬さも決められていて、選択の余地がありません。市販品の中には、パイプ素材の枕の中身の量が調節できるようになったものもあるので、そういったものを選んで自分に合わせるとよいでしょう。