重い掛け布団はダメ!
軽い布団だとふわふわして、寝返りのたびにどこかへいってしまうし、あまりに軽いと寝ているような気がしない…というなかなか難しい布団選びです。しかしこれは、あくまで錯覚や思いこみ、習慣からくるものでしかありません。逆に重い布団は体を圧迫し、覚醒刺激になってしまいます。重い布団で「安眠している」と実感しているような人は、それだけ眠りが浅いのです。深く、ゆっくり眠れる方法をしっかり考えなくてはなりません。
赤ちゃんはせんべい布団が最適
ふかふかの布団で眠らせてやりたい、という親心は、赤ちゃんにとって逆効果です。幼いうちは背骨がやわらかく、敷き布団がふかふかだと背骨が曲がりやすく、まっすぐな姿勢が保てません。赤ちゃんの頃には、硬いせんべい布団のほうがよいです。
ポリエステルよりも羽毛布団
軽い掛け布団を使うのは安眠の条件のひとつ。重くずっしりした木綿わたにかわって人気になったのが、ポリエステル綿の布団です。軽いうえに安いので人気を集めましたが、吸湿性を考えるとデメリットのほうが大きくなります。やはり自然素材に勝るものはありません。
そこで、おすすめなのは羽毛素材。ダウンばかり使ったものだと高価ですが、スモールフェザーとの混合なら価格も手ごろになってきています。
防ダニ布団には要注意
一般に防ダニ効果をうたった布団では、ダニ除けのためにどんな化学物質が使われているかわからないところが心配です。たいていはメーカーごとに、ダニ忌避剤を工夫し、それを布団の中綿に染みこませてある仕組みですが、その薬品が、逆にアレルギーの原因になることもあります。ダニアレルギー防止のために買った布団で薬品アレルギーを起こすこともあるのなら、天日干し、掃除機かけでのダニ退治を心がけたほうがいいでしょう。
季節ごとに寝具を変更する
布団を天日干ししてホコリを取り除き、シーツもカバーも洗濯をこまめにして清潔に保っても、それで安眠が得られる… といかないところが、布団の難しいところです。専門家たちのあいだで「寝床内気象」と呼ばれる、布団の中の温度が問題だと指摘されています。ふつうは、寝るまでは室内と同じ温度の寝床も、人が入ると体温によって内部温度が上昇し、20分程度で体温より低い32~34度に落ち着きます。湿度も同じ経過で、最終的には、45~55%くらいになるのが理想的です。人間の体から発散される熱量と布団から放出される熱量のバランスが保たれていれば、この状態で朝までグッスリ眠れます。ところが、このバランスがくずれたとき、たとえば冬の寒さで体を丸めてしまうようなことになり、結果的に睡眠で疲れてしまうのです。
季節に合わせた寝具のチョイスが大切な理由はここにあります。