出張・旅行時の注意点

普段着ているパジャマを用意しておく

普段は、パジャマで寝ている人も、出張先の宿では用意された浴衣を着ることが一般的です。しかし、着慣れない浴衣では、なんだか首すじがスースーしたり、前がはだけて気になったり、すそが短くて寒かったりします。またサイズが大きくて着心地が悪い場合もあると思います。こういうちょっとしたことが、眠りの深さにも大きく影響します。安眠を追求するのであれば、出張の荷物の中に、ふだん着ているパジャマを入れておくのも快眠には欠かせません。

出張先のホテルはできるだけ固定する

出張先でなかなか眠れなくて苦労しているビジネスマンは、できるだけ宿泊するホテルを決めておくといいでしょう。何軒のホテルに泊まったかを記録しているような人は別にして、出張先でよくいく場所が決まっているような場合は、「定宿」をつくってしまうことが安眠のコツです。一度、泊まって、ベッドや枕の具合や、部屋の雰囲気がそこそこ気に入ったら、あちこち浮気をしないこともポイントです。慣れた環境では安心してぐっすり眠ることができる重要項目です。さらに、お気に入りの「定部屋」まで指定できるとなお良いでしょう。

飛行機内で眠りたい

海外旅行の機内での睡眠には、いろいろなテクニックが必要。狭いシートに固定されての座ったままの睡眠では、熟睡は望めないからです。ファーストクラスがとれれば理想ですが、なかなか難しいでしょう。エコノミークラスでの快眠は、ひとえに先手必勝。ベルト着用のランプが消えたら、一列ずらりと空いた席へダッシュします。シートが三席も空いていれば、体が横たえられるからです。それには、離陸前に周囲を見渡し、空いているシートに目をつけておくことがポイントとなります。

時差ぼけ対策

ビジネスや旅行で海外にいくとき、注意しないといけないのが時差ボケ。とくに対策をとらないでいると、現地に着いてから猛烈な睡魔におそわれ、仕事や観光どころではなくなってしまいます。「機内ではひたすら眠る」などの対策もあるのですが、いちばん効果的なのは、日本にいるあいだに就寝と起床の時間を少しずつずらして現地時間に合わせていくことです。これで、現地での行動もスムーズにいくでしょう。

時差ぼけは室内にこもっていてはダメ

海外旅行による時差ボケは、体内時計と、現地での実際の時間のズレによって引き起こされるものです。そもそも人間の体内時計は、太陽の運行と無関係ではありません。現地に到着したら、できればホテルの室内にこもらず外に出ることが大切です。太陽に当たることで、自然な時差ボケ解消ができるのです。さらに、豚肉やサーモン、レバーなどを食べ、ビタミンB12 を摂取して、体を中から温めるのも効果大です。

海外旅行時には眠いときに寝てはいけない

西回りはまだしも、東回りの海外旅行では時差ボケが起こりやすくなります。それまでの、日本時間で整っていた体内時計と現地との時間差が大きすぎるからですが、もう一つ、その時間差による生活リズムの変化が、西へ行くのと東へ行くのとでは逆になるからです。ヨーロッパへ行くならこれまでの生活時間を遅いものに変更しなければならず、アメリカなら早くしなければならなりません。そして睡眠に関しては早めるほうがむずかしく、そのため体内時計の調節に苦しみ時差ボケとなるのです。体内時計が夜になったため眠くなったとしても、現地がまだ昼ならガマンして起きていたほうが、時差ボケが早く解消できます。どうしてもダメなら、3時間程度の仮眠にとどめておくといいでしょう。

旅行先ではぐっすり眠れなくても気にしない方がよい

電車で移動して、到着後すぐにあちこちを観光して、体はグッタリして疲れているのになぜか眠れないという旅先の一夜はよくあります。海外旅行と違い時差のないときでも、こんなふうに睡眠に障害が起こることがありますが、これは「一過性不眠(機会性不眠)」といわれるもので、なんの心配もいりません。2~3日で解消されますし、旅の間ずっと続いても帰宅すれば直ります。多少の寝不足くらい、旅の楽しさが忘れさせてくれるでしょう。どうしても気になるというなら、旅のときだけ、軽い入眠剤を医者に処方してもらう方法もあります。

深夜遅くまで勉強する人は

夕方の昼寝は効果が薄い

受験生のあいだでは、帰宅してから夕食までのあいだに少しの時間、寝て、その後勉強してふたたび深夜2時ごろに就寝する「二度寝勉強法」というのがよくあるパターン。ところが、トータルで睡眠時間は足りているように見えても、実際には勉強の役にはあまり立っていないことがわかってきました。夕方から昼寝をすると、体が休まる深い眠りは得られるものの、脳が回復するためのレム睡眠はあまりとれません。それに比べ、午前中などの早い時間に昼寝をすると、レム睡眠の量が増え、頭もすっきりします。毎日というわけにもいかないでしょうが、せめて休みの日には、昼食後に2時間ほどの昼寝をするのが、勉強をはかどらせるにはよい習慣です。
OLやビジネスマンでも、資格をとるために勉強をしている人もいると思いますが、この場合も同じです。

睡眠学習はダメ!

「眠っているあいだにラクラク勉強法」などとうたう睡眠学習がすこし前に流行ったのですが、現在ではあまり見かけなくなりました。その学習効果はさておき、睡眠学習にトライした人は、不眠症や昼間の眠気などの睡眠障害になりやすいといわれています。睡眠の中でも、とくにノンレム睡眠は、日中働いた大脳を休ませる唯一の時間。その時間にまで大脳に情報を詰めこむなんて、まさに逆効果であることは、わかりきっています。

夜勤明けの注意

夜勤明けに1日中寝てしまってはダメ!

このごろは、24時間営業の便利な店が増えたおかげで、夜勤につく人の数も多くなってきています。現代人のライフスタイルは、完全にいつの間にか夜型になってしまいました。もともと、夜になったら眠るようにできている体を、むりやり仕事の態勢で活動させているのだから、翌日に眠くなるのは、当然です。だからといって1日中寝ているのも、また逆に、夜眠れなくなるからといって起きているのもよくありません。いちばんいいのは、夜勤明けの日に2~4時間程度眠ることです。このくらいの睡眠だと、体のリズムも元にもどりやすく、睡眠障害に陥ることも少ないでしょう。その晩は、ふつうの日と同じような時間に床につき、いつもの睡眠を取るようにする習慣をつけることです。

睡眠不足の時の脳の働きを覚えておく

深い眠りのつづく時間は、その前にどのくらい連続して起きていたかによって決まるといわれています。ただし、眠りの深さも起きていた時間の長さによって変わり、起きていた時間のぶんだけ長く眠って、帳尻を合わせるというものではありません。たとえ徹夜したあとでも、熟睡時間が長くなるだけで、相対的な睡眠時間を増やさなくてもいいように、脳がひとりで採算を取ってくれているのです。無理をして長時間眠って、かえって脳をボーッとさせてはいけません。

夜勤明けの30分前にコーヒーは「×」

夜勤の最中は、とにかく眠気を覚まそうと、コーヒーやお茶を飲んでいる人も多いと思います。頭がボーッとしたときにこういうものを飲むと、気分もすっきりします。そして心理的にも眠くならない気がします。ただし、勤務終了の30分前からは、コーヒーもお茶も我慢するように習慣づけます。というのも、こういったカフェインを含む飲み物を摂取すると、その後2時間くらいは、脳が興奮するので眠りにくくなってしまうのです。これから帰って寝ようというときに、それでは逆効果です。どうしてもノドが渇いたら、ミネラルウォーターなど、ノンカフェインのものを飲むようにします。

夜勤明けの寝酒も「×」

昼間の勤務と夜勤とが不規則につづく場合、どうしても睡眠のリズムがくずれてしまうのは、仕方がありません。ここで少しでもよく眠ろうと、夜勤明けにお酒を飲んでしまう人もいるかもしれませんが、これは逆効果です。
アルコールの力を借りてしまうと確かに寝付きは改善するのですが、眠りそのものが浅くなり、眠りの周期が乱れてしまいます。それよりも効果的なのは、ブラック、またはブラウンの遮光カーテンで光をさえぎり、部屋を真っ暗にすることです。

そのほかに交代勤務でねむれなくなってしまったなども参考になります。