食事のとり方(食習慣)の注意点

朝食を抜くのはNG

朝は、ほんのすこしでも長く寝ていたいから朝食は抜き、というビジネスマンやOLさんは非常に多くいます。
現代人の生活スタイルが、夜遅くまでの仕事を定着させてしまったのです。

すると、「朝食を抜く→ おなかがすくので昼食を食べすぎる→夕食が遅くなる→翌朝おなかがすかないので朝食を抜く→ かえって太る」
という悪循環だけでなく、安眠の妨げにもなります。
朝食をとることによって脳が目覚め、1日の活動をスムーズにスタートさせることができるのです。このリズムがしっかりできていると、自然に夜は深くグッスリ眠れるというパターンができてきます。よい眠りのためにも朝食は欠かせません。朝食に食べるものとしては消化の遅い脂肪はなるべく避け、タンパク質を含むものをとるのが効果的です。たとえば、焼き魚や納豆などがおすすめです。

昼食の食べ過ぎにも注意

たまには、ちょっとぜいたくして豪華なランチバイキングで昼食を食べる人もいるでしょう。満腹になるまで食べた日は、ついつい昼食後に眠たくなって昼寝、なんてことも。これでは、夜眠れなくなってもしかたがないのです。昼食抜きというのもいただけませんが、食べ過ぎも禁物です。日中起きていて夜グッスリ眠るというリズムをくずさないためにも、昼食は腹八分目に抑えておいたほうがいいでしょう。

夜遅い夕食・早食いはNG

就寝まで時間のない夜遅くに夕食をとると、消化が悪くて眠りは浅くなるため、けっして良い睡眠にはなりません。安眠できるのとは反対の行動です。増して、脂っこいものや硬いものを、空腹で遅くなったぶん大急ぎでかきこむような食べ方だと、ますます胃が重くなり負担をかけることになります。
600キロカロリー以内の低エネルギーで消化がよく、野菜を多めにした食事を、ゆっくりよくかんで、最低でも20分以上の時間をかけて食べる習慣をつけます。
できれば、動物性のものより植物性のものを多く摂るように心がけるといいでしょう。

夕食が遅い人のための教科書
https://midnight-worker.meal-treatment.com/

睡眠と関係の深い「ミネラル」について

カルシウム不足による「イライラ」は安眠を妨げる

カルシウムは、イライラを取り除いて精神を安定させる働きもあり、「ナイトミルク」といって就寝前に牛乳を温めて飲むと心地よく眠れるという方法があります。つまり、カルシウム不足になると精神も安定せず、安眠の妨げになるということです。
カルシウムは、日本人にどうしても不足しがちな栄養素。そこで、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品を積極的にとることがおすすめです。乳製品が苦手な人は、ひじきや切り干し大根、大豆などの植物性のカルシウムを摂取するといいでしょう。

鉄分不足は夜中に目が覚めやすい

鉄分不足で貧血ぎみという女性はかなり多くいますが、鉄分不足は安眠をさまたげる原因にもなっているのです。所要量の3分の1しか摂取していない女性は眠りが浅く、夜中に目覚める率も高いという研究結果もあります。鉄分不足を補うには、ふだんの食生活でレバーやホウレンソウなどをしっかりとること。どうしても苦手な場合は、手軽なサプリメント(栄養補助食品) で鉄を補充するのもひとつの方法です。

鉄不足でめまい・貧血が起こり、集中力や思考力が低下する
https://full-power.info/archives/742

マグネシウム不足もNG

人間に必要なミネラルの中で、マグネシウムも安眠の重要なポイントです。鉄と同様、マグネシウムが不足すると眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めてしまいます。
とくに、高齢者やダイエット中の人など、1日の摂取カロリーの少ない人にしばしば見うけられる症状です。
マグネシウムはカルシウムの吸収を助ける働きもしているので、せっかく牛乳やチーズなどでカルシウムを摂っても、マグネシウムが足りないと、体にあまり吸収されていないということになります。これを防ぐには、ナッツやナツメヤシなどのマグネシウムを多く含む食品を積極的に摂るようにします。

アルミニウムは摂りすぎない

アルミニウムのとりすぎは、安眠に悪影響を与えます。「アルミニウムって?」思う人も多いかもしれませんが、私たちは日常、空気や水や、アルミ製の調理器具や制汗剤などから、少量のアルミニウムを摂取しています。
ですが、これぐらいのものではさほど問題にはなりません。気をつけたいのは、アルミニウムを含む制酸剤(胃腸薬)を毎日飲んでいる人。こういう人で、不眠に悩まされている場合は、薬を別のものに変更すると、改善されることもあるので、医師に相談してみましょう。

銅の量にも注意

米国農務省の研究によると、銅の摂取量が少ないと眠りにつくまでの時間が長く、また眠りも浅くなる傾向にあるという研究報告がされています。
銅の一日の所要量は2mgですが、ほとんどの人は、その半分しか摂取できていないといわれています。
足りないからといって特別な症状はあらわれませんが、睡眠への影響はあります。
そこで、不眠に悩む人は、カキやロブスターなど銅を多く含む食品を積極的に摂るようにするといいでしょう。ナッツやゴマ、キノコや豆類にも比較的銅が多く含まれています。

ホットミルク(牛乳)の安眠効果と注意点

空腹で眠れないときには、おすすめ!

お腹がすいているとどうしてもなかなか寝つけないけれど、食べると胃には好ましくありません。こういうとき、いちばん手軽で効果的なのが牛乳です。牛乳にふくまれるカルシウムがイライラを鎮めてくれるし、たったカップ1杯でも空腹感を解消することができます。
ただし、冷たいままだとお腹にも悪いし、カルシウムの吸収もよくないので、電子レンジなどで温めてホットミルクにし、ゆっくりとかむように飲むとより効果的です。
安眠物質をふくんだホットミルクには、伝統的に安眠効果があると言われています。

牛乳嫌いはどうする?

どうしても牛乳が苦手で、安眠効果があるとわかっていてもなかなか飲めない人もいます。そこで、ちょっと工夫を加えて、飲みやすいホットドリンクを自分でつくってみるのがいいでしょう。たとえば、きな粉とはちみつをくわえればほんのり甘くて栄養満点のきな粉ミルク。また、きな粉の代わりに練りゴマを使ってもおいしいです。ミルクティーが好きな人は、薄めに入れた紅茶にたっぶりのミルクをくわえて、仕上げにブランデーを一滴垂らして飲むのもおすすめです。

飲み過ぎはNG

牛乳のカルシウムにはイライラを鎮めてくれる作用があり、しかも安眠物質ともいえるトリプトファンをふくんでいるので、たしかに就寝前の飲み物としてはおすすめです。
しかし、コップ1杯の牛乳は約120キロカロリーもあるし、乳脂肪分も多く含まれます。とくにダイエットを気にする人は、寝る前の牛乳1杯のために、それ以外の食事で気を使わなくてはならないことになりますが、それでは本末転倒です。
トリプトファンは、牛乳にかぎらず卵や肉、魚などにもふくまれています。こういった良質のタンパク質をとっていれば、それほど牛乳にこだわる必要はありません。

授乳中の就寝前の牛乳には気を付ける

赤ちゃんの夜泣きがなかなかおさまらない。ようやく寝たかと思ってもすぐに起きてしまう。こんな悩みをもつお母さんもきっと多いことでしょう。
赤ちゃんが夜中に目を覚ます原因の一つには、腹痛が考えられます。しかも、この腹痛は母親が原因となっていることもあるのです。
母乳で育てている場合、母親が一日に牛乳を500ml以上飲んでいると、母乳に影響して、赤ちゃんのお腹をこわすこともあるのです。思い当たる人は、牛乳をあまり飲みすぎないように注意しましょう。