心地よい目覚めには快適な睡眠が欠かせない

起床時間ではなく就寝時間を決める

就寝時間は定時で決まっている人にまったくばらばらになっている人がいると思います。人間とは勝手なもので、試験勉強のときは眠くなったらあとは明日にしようと寝てしまうのに、遊びに外出するときなどは、眠気を感じることもありません。

ついつい帰宅も遅くなり、寝るのが夜中の3時、4時になることもあるでしょう。最近は夜の娯楽も充実し、外でも家の中でも時間を忘れて楽しむことができます。
特に若いうちは、少しくらい睡眠時間が足りなくても、体に支障が出るわけではありません。そのため、寝る時間もどんどん遅くなってしまいます。特に外出をしなくても、家に帰って夕飯を食べ、テレビを観ていたら十11時、12時になっていたということも珍しくないでしょう。それからお風呂に人り、本を読んだり、またテレビを観たりしているうちに時間が過ぎ、結局寝るのが2時、3時になることも多いのではありませんか。

しかし、考えてみてください。寝るのが遅くなり、睡眠時間が少なくなれば、朝起きるのがつらくても当たり前なのです。近ごろ、急増している「朝に弱い」人たちのうち、単に睡眠時間が足りないだけの人も少なくないのではないでしょうか?

どうして朝起きられないのだろうと嘆く前に、まず、早寝を実行してください。7七時に起きるのなら、しばらくのあいだ、毎日23時にふとんに入るのです。1ヶ月後には、きっと、朝起きるのがずいぶんと楽になっていることと思います。
きるためには、目覚まし時計を起床時間にセットするよりも、寝る時間をきちんと決めて実行するほうが効果的です。

眠るゾ!という意識にするための工夫

眠ることは自然な行為ですが、昼夜の別のない現代では、何かのきっかけがないと眠りにくいという人も増えているようです。早く家に帰ったのに、ついつい夜更かしをしてしまう人などは、眠れないというよりは、寝るきっかけがつかめないということができます。

その理由の1つとして、独立した寝室を持っていないことがあげられます。家族と同居している人は、自分の部屋はあっても、それはC D を聴いたり、テレビを観たりしてくつろぐ部屋であって、眠るための部屋ではありません。一人暮らしであればなおさらです。寝室は、居間兼食堂という人がほとんどでしょう。深夜でも電気はついているし、テレビは遅くまで放送しています。これでは、眠気をキャッチしても、「さあ寝るぞ」といケう気持ちにはならないはずです。

このような状況の中では、眠るための環境を意識的に作り上げる必要があるといえるでしょう。とはいえ、寝室を独立させて持つほどの余裕もありません。そこで、たとえその部屋が居間兼食堂であっても、寝息ときには寝室だと自分で思い込むような工夫をするのです。どういう寝室が自分にとって最適であるかは、それぞれの感覚で想像してみてください。

とにかく、この部屋に入れば眠るんだと思える、起きているときとは違う気持ちになれる空間を作り出すのです。たとえば、照明はできれば間接照明にして、ほの暗い感じにするといいでしょう。手元のスイッチで操作できるるものにすれば、眠くなったときにはすぐに電気が消せます。

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もっとテレビを観たい、もっとテレビゲームをしたいという誘惑を断ち切るのです。朝起きられないというと、朝起きることのつらさばかりを考えてしまいますが、夜起きていたいことをがまんすることも必要です。「明日は朝が早いからもう寝よう」という自分が、「もっとテレビを観たい」という自分に負けてしまうから、ついつい夜更かしをしてしまい、翌朝起きるのがつらくなるのです。
そうした自分をコントロールする意味でも、眠る空間、眠る環境を整備することは大切です。23時になったから、部屋の電気は消してスタンドだけにする。これだけでも翌朝の目覚めがすっきりすると思います。

自分だけの入眠儀式が必要

環境が整ったら、次は精神的な動機づけを行ないましょう。どうも眠る気分になれない、心配事があるというときに有効なのが「入眠儀式」です。

これは、大げさに考える必要はありません。毎日、寝る前に、ある決まったことを自分に課し、これをすれば自分は眠れるんだという条件づけをするのです。簡単にいえば、歯磨きや洗顔も条件づけの1つです。ふとんに入って眠るまでのあいだに、軽い読み物を読むという方法もあるでしょう。

あるいは、寝る前には必ずこのCDをかける、お香をたくということでもかまいません。とにかく、自分にとってこれが眠る前の儀式だというものを決めておけば、眠るきっかけになります。

この儀式を行なうことによって、これから自分は眠るんだということを認識することができます。また、その日にあった嫌なことや心配事などの、心地よく眠れない要因を頭からぬぐいさる効果も生まれます。社会が忙し過ぎるのか、人間が欲張りなのか、これから眠ろうというのに、さまざまなことが頭の中に浮かんでしまい、脳を休めることができません。入眠儀式によって、頭の中を空にして、自然に安らかな眠りにつきましょう。

入浴後が最高のコンディション

「頭を空にしましょう」といっても、すぐには実行できない人もいるでしょう。仕事の緊張感や楽しんだあとの興奮、明日の心配事にとりつかれた心をほぐすには、寝る前にリラックスタイムを賃」とが有効です。

そのためには、まず家に帰ったなら仕事のことは考えない。活動するところとリラックスするところは、しっかりと分けたほうが能率も上がり、心も休まります。心身ともにリラックスするのに、いちばんいい方法はお風呂です。
それも、短時間でシャワーだけですませるのではなく、ぬるめのお湯にゆっくりとつかってください。お風呂の利点はいくつもあります

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まず、あたたまることで血行がよくなり、緊張でこちこちになった首や肩のこりをほぐしてくれます。手足や腰の疲れもとれるでしょう。

、お風呂から出ると、あたたまった体から徐々に汗もひいていき、体温が下がり始めます。ここを逃してはなりません。体温が下がるころ、眠気が訪れるのです。
汗がひいたころにふとんに入れば、心地よい眠りに誘われ、いっさいのことを忘れて眠れるはずです。まさに、風呂上がりは最高のコンディションなのです。

ただし、極端に熱いお風呂は避けたほうが無難です。体に負担がかかるばかりか、出たあとの体温を調節するために、交感神経が活発に動き出してしまいます。夜はぬるめのお風呂で眠気を誘い、朝は熱いシャワーで目を覚ますのが、かしこい入浴法といえるでしょう。

心身をリラックスさせる方法

これから紹介する4つの方法は、一1人で簡単にできるものばかりです。毎日、寝る前の習慣にしてもいいでしょう。

  1. 瞑想
    眠りにつくときは脳波がアルファー波に変わります。逆に、アルファー波が出ている状態とは、まさに「寝入ろう」とする状態だともいえます。「瞑想」をすると、心が静かに落ち着き、アルファー波が出てきます。つまり、眠りに入りやすい状態になるのです。瞑想は精神を落ち着け、心のいらいらを静めるのにも効果があります。最近は、瞑想のためのCDもたくさん出ています。

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  2. イメージトレーニング
    「イメージトレーニング」とは、スポーツ選手が理想のフォームをイメージし、勝利の場面を思い描くことでハ自分の体をその状態に導こうというものです。
    これは、プレッシャーや心配事を追い払うことにも応用できます。ふとんに入ったときに、心配事が頭に浮かんだなら、それを落ち着いてクリアしている自分を頭に思い描くのです。そして、「絶対に大丈夫だ」と自分に暗示をかけ、とりあえず頭からマイナスイメージを取り除いてしまいます。夜眠るときにいくら悩んでも、結果が変わることはなく、いいこともありません。むしろ、自分なりに悩みを忘れる方法を覚えておくほうがよいでしょう。また、ふとんの中で「熟睡している自分」の姿をイメージするのも、眠りを誘発するには効果的です。
  3. 腹式呼吸
    「腹式呼吸」とは、お腹から声を出すことです。学生時代、演劇部の人たちが校舎の屋上で発声練習をしているのを開いたことはありませんか。
    このときの呼吸が腹式呼吸です。腹式呼吸の場合、吸った空気をお腹に入れ、吐くときにはそれを出しますから、息を吸うとお腹がふくらみ、吐くとへこみます。仰向けになって、この要領で静かに呼吸をしてみてください。だんだんずっしりと、体が落ち着いてくるはずです。このような状態になれば、眠りに入るのも近いでしょう。
  4. 柔軟体操
    5分足らずの柔軟体操であっても、血液の循環はよくなり、こちこちに緊張した体もほぐれます。ストレスがたまると体も硬くなります。無理をせずに、ていねいに、ほぐすような気持ちで体を動かしてみてください。
    ただし、やり過ぎは禁物。休もうとしていた脳が、活発に活動を始めてしまいます。5分程度がちょうどいい時間です。

快眠のためには寝具もチェック