寝具

安眠のための下着選び

パンツのゴムがきついのは×

睡眠に必要なリラックスは、精神面ばかりのことではありません。身体も、日中の締めつける衣服から解放して、ゆったりさせてやらねばならないのですが、そのために着心地のいい寝間着を選ぶだけでは、100%と言えません。下着のパンツのゴムが腰回りを締めつけていることも、体にとっては大きなストレスになっているのです。パンツを脱いで寝てみると、意外に熟睡できることがわかります。
また、パンツのゴムだけでなく補整下着のように、体のラインを整えるものを、すこしでも長く身につけていれば、よりスタイルがよくなりそう? と寝るときもつけたまま、なんていうのは論外です。肉体の解放が心の解放にもつながって、安眠のきっかけになるのですから、ごくふつうのブラジャーやガードルも、もちろんはずして寝たほうがいいでしょう。

靴下もNG

冷え性の女性などでよくみられるのが、ソックスをはいたまま眠る人です。たしかに足先が冷たいと、眠りにつきにくいのもわかります。末梢血管の血流がよくないからですが、眠ってしまえば副交感神経の働きで血管が広がってこれは解消されます。
ソックスをはいて眠ると、睡眠中の体温調節が問題となってしまいます。ソックスをはいたままでは、足の裏の発汗作用が高まり、熱をもってくるようになります。ソックスによって、熱の逃げ場所がなく、体温調節ができなくなって体に汗をかき、かえって疲労感を高めたりするのでソックスは脱ぎましょう。かわりに、足の太い血管だけを温めてくれるレッグウォーマーがおすすめです。

靴下がないと眠れないという人は?

「頭寒足熱」は安眠のための基本中の基本です。冬場に冷えて眠れないからと、とくに女性の中には靴下をはいたまま寝る人が多いのですが、これは避けたほうがよいことは、すでに書いたとおりです。しかし、どうしてもソックスをはいて寝たいというなら、五本指ソックスをはいて寝るのがおすすめです。もともとはフットケア用のソックスですが、適度に汗を吸い取ってくれるので気持ちがいいのです。綿素材ならさらに肌触りもよく、吸湿性もアップします。

子供の腹巻きはNG

子供の寝冷えが心配だからと、夏でも腹巻をさせて子供を寝かせている人もいます。しかし、子供は汗をかきやすいのに、腹巻きでしめつけると通気性は悪くなり、汗を発散させることができなくなります。そのために、かえって体のほかの部分が冷えてしまったり、暑くて布団を蹴飛ばしてしまうこともあります。子供は寝間着さえちゃんと着ていれば、腹巻きはしないほうがいいでしょう。

パジャマの注意点

ジャージはダメ!

ジャージは、家の中でごろごろしている普段着にもよく、ちょっと近所までタバコを買いにいくのにも恥ずかしくないウェアとして、とても便利です。寝間着にしている人も多いことでしょう。ただ、ジャージはあくまでスポーツウェアであって、運動に耐える丈夫さが取り柄です。そのため厚地でつくられているので、寝間着には適しません。
運動するときラクなことと、寝具の中でラクに動けることとは、むしろ相反するものです。

寝間着はまめな洗濯が大切

着心地がいい寝間着の条件は、運動性と吸湿性です。この2つの条件を満たしていても、1週間も同じ寝間着で寝ていたのでは、いい眠りは得られません。汗を吸って汚れた寝間着では、健康面にもよくないので、かならずこまめに洗濯をしたいところです。とくに、汗の多い夏場は、洗濯が面倒でも毎日着替えるのがよいでしょう。

寝間着のサイズも大切

人間は寝ているあいだも寝返りを打つなどで、相当の運動量になります。そのとき、動きを束縛するような寝間着では、いいものとはいえません。
袖ぐりなどがゆったりした、体の動きをさまたげないものがよいでしょう。しかし大きすぎたり長すぎたりで、裾がめくれて体にまとわりつくようなものでは困ってしまいます。
立体裁断などで、人間の体のまるみを考慮したものを選びましょう。

材質も大事

寝間着選びでは、動きのラクなゆったりしたものを優先して選びますが、そのとき、もう1つ忘れてはいけないことがあります。
それは材質です。一晩にかく汗をちゃんと吸収してくれるものとなると、やはりコットン(綿)がいちばん。肌触りが柔らかく着心地のよいものを選びましょう。

赤ちゃんの寝間着は?

赤ちゃんは、大人ほど体温調節を容易に行えません。そこで、寒さ・暑さにきちんと対応するために、すぐに何かを羽織らせたり、脱がせたりと、親が気をつかってやらなければなりません。
それは、就寝中も同じです。ふだん1人で寝かせているときに着せる寝間着で、そのまま親といっしょに寝てはいけません。親の体温で布団の中は温まり、ふだんより暑くなって、赤ちゃんの体温が上がってしまうためです。
それを考慮して、赤ちゃんといっしょに寝るときは、ふだんより薄着にさせましょう。

毛布、マットレスの扱いのポイント

清潔さが大切

じかに体に触れる毛布は、汚さないようカバーでくるむと、せっかくの温かい肌ざわりがなくなってしまいます。かといって、直接かければ汚れてしまいます。清潔に使うにはこまめな洗濯が必要ですが、自宅で洗うと乾くのに時間がかかります。
そこで、上手な干し方を紹介します。対角線で二つ折りにし、その部分を竿にかければ、竿から下がる部分が三角になり、水が一点に集中して落ちやすくなり、早く乾きます。毛布を干す時期は、秋~冬の間になることから少し工夫が必要です。

電気毛布はあまりおすすめできない

冬の寝具を温めるのに電気毛布や電気敷布は便利ですが、あまり頼りすぎるのはおすすめできません。安眠の条件は「頭寒足熱」で、冷える足先だけちょっと温めてやれば、自分の体温で布団はすぐに温まります。電気アンカでもいいですが、これだと熱くはないので当て続けて低温火傷の心配があります。末梢血管の血行を促して温かくする足熱にいちばんいいのは「湯たんぽ」。いちいちお湯を入れるのが面倒という人には、電子レンジで何度でも温めて使える優れものも市販されています。
足元あったか快適快眠グッズ一覧はこちらで紹介されています。

ベッドパッドも洗う

ベッドのマットの上に置き、人間が眠っているあいだにかく汗を吸い取ってくれるのが専用のパッドです。マットの傷みを防ぎながら人間が快適に眠れるようにしてくれるわけですが、それだけに汗を吸って、パッド自体は汚れて傷みます。いくら上からかけるシーツを交換しても、パッドが汚れていたのでは意味がありません。洗濯替えに2~3枚は用意して、1か月に1回は定期的にクリーニングしてきれいにしておきましょう。

マットレスの厚みにも注意

布団の下にマットレスを敷くのは、床からの位置が高くなるので、湿気やホコリ対策としてよいでしょう。ただし、敷き布団だけでは薄くて背中が痛いからといった理由で、厚いマットレスを選ぶのはおすすめできません。厚さのあるぶん、上に敷く布団しだいでは重さのために体が沈みこんで、腰痛や坐骨神経痛の原因になりやすいのです。
敷くなら5~6cmの薄くて硬いものがいいでしょう。さらに上に敷く布団は、ふつうのものより厚めのものを選び、マットレスの影響を受けないようにします。