寝具

ベッド選びの際のポイント

マットレスの硬さ

ベッドのマットレスが軟らかいと体が沈み、骨のためにはよくありません。また、腰が痛くなる場合も多いでしょう。だからといって硬ければいいかというと、それもそうではありません。硬すぎると、頭部、仙骨、背部、かかと部分にだけ体重がかかり、そこが血行障害を起こしてしまうのです。とくに病人の場合は、寝返りが打てなかったりすると床ずれの大きな原因にもなるので、マットの硬さ選びはとくに慎重に行いたいものです。

低すぎるベッドはNG

人が動いたりすることで昼間のあいだ空中を舞っていたチリやホコリは、夜になって動くものがなくなると床に沈んできます。布団に比べてベッドがいいというのは、この浮遊塵が避けられるからですが、ベッドが低ければマットレスと敷き布団を重ね敷きした時とほとんど差がなくなってしまいます。
床との差は最低でも40cmくらいは欲しいところです。理想の高さは、起きて腰かけたとき足の裏がきちんと床に着くくらいです。

ベッドでもダニには注意

畳やカーペットのホコリにくっついているダニが、敷いた布団に移ることにくらべたら、ベッドは清潔で安心と思っている人が多いのは一般的です。
たしかに、床からのダニの移動はほとんどありませんが、布団と同じようにべッドのマットレスがホコリや人間のアカをためてしまえば、それはやはりダニの温床になります。寝室の窓を開けて掃除をするとか、ベッドパットをこまめに洗濯するほか、たまにはマットレス自体に掃除機をかけるなどの手入れをしましょう。

ベッドサイズは重要

家具売り場にいくと、陳列されたベッドに目を奪われてしまって、ついデザインにばかりに目がいってしまいます。試すといっても、せいぜい腰かけてみてマットのスプリング具合を見るくらいでしょう。
しかし、それではいけません。マットの硬さも大切ですが、見逃してはならないのはサイズです。
寝返りを打つことを考えれば広いほうがいいに決まっています。ただ、置き場所との兼ね合いもあるから、シングルで肩幅の2.5~3倍、最低でも100cmの幅は欲しいところです。理想はもう少し大きめの120cmです。

実際に触って選ぶ

1日のほぼ三分の一を寝て過ごすのだから、ベッドの寝心地というのは人生を左右するといってもいいくらいです。必ず手で触れて、腰かけてみてマットレスの硬さを確かめ、できることなら、一度横になってみるのがおすすめです。寝てみないと、腰の部分だけが沈む、寝返りが打ちにくいといったことがわかりにくいためです。
そのほかにも、起きあがるときのスプリングの具合など、確かめなければならないことはたくさんあります。
通販でサイズやデザインだけを見て決めたのでは、こうしたことが何もチェックできません。通販で購入する場合には、まず実物を見て品番を確かめた上で購入しましょう。

ウォーターマットは?

ダブルコイルとか腰痛防止に沈まない硬さの特殊ウレタンなど、あれこれ工夫され、たくさんのベッドマットがあります。体のためを考えて、そんなマットを選ぶ人も増えています。
さらにいい睡眠を条件にするなら、気持ちよさも大切です。
そんな視点で選ぶと、ウォーターマットもおすすめです。中に入った水のおかげでマットが自然に体の形に沿い、重力も均等に分散するので、体への負担が少ないのです。なので、どんな姿勢でも眠りは深く、疲労回復にもよいです。

気持ちよく眠るための「お布団のお手入れ方法」

布団は陰干し?

布団を天日に干すと、生地が褪せてしまったり、傷んだりします。また、中綿として羊毛を使ったものでは、陰干しをすすめている商品もなくはありません。
羽毛布団も、羽が飛び出さないようパラフィン処理をするので、熱に弱く、天日干しはいけないというのが常識でした。ただ、最近では、布団の製造技術の全般が発達していて、おひさまに当てたくらいでどうなるものでもありません。それよりも、湿気やホコリを出すための布団の日光浴のほうがメリットがあります。思い切って天日で布団を干しましょう。

よりしっかり乾燥させるには

布団を干す最大の目的は、寝ているあいだにかいた汗を吸った布団を乾燥させることです。そのために、布団干しにはできるだけお天気のいい日を選ぶのは当然です。高温になるほどいいからです。そこで、布団を干すときに黒い布をかけてやれば、熟をよく吸収して一気に高温になります。布がなければ、黒いビニールのごみ袋でもいいでしょう。ただ、これだと湿気が抜けずにこもってしまうので、園芸用の穴開きシートならおすすめです。

畳も干せばなおよい!

湿気対策、ダニ退治とばかり、毎日布団を干しても、その布団を敷く畳にホコリや湿気がたまっていればせっかくの布団干しの効果も半減してしまいます。たまには畳も日光浴させて、カビや雑菌退治をするといいでしょう。昔ながらの大掃除の要領で畳をあげ、外気と太陽に当てるだけで、さわやかさが違ってきます。

外出の用事があるときには

絶好の「布団干し日和」でも、外出などで布団が干せない日もあるでしょう。しかし、それほど悩む必要はありません。日当たりのよい窓ぎわにイスを並べ、布団を広げてガラス窓越しの日光を当てればいいでしょう。室内ですから、帰宅が遅れて日が陰ったらとか、急な雨がきたら、という心配も大丈夫です。

布団を叩かない

布団を干した後、パンパンとたたいて埃を出す光景はよく見られます。たたくのはかまわないのですが、あまり強くたたくのは、布団生地や中の綿を傷めているだけです。ダニなどを追い出すつもりでも、実はその効果はほとんどありません。ダニ退治は布団にこまめに掃除機をかけるしかないのです。

花粉の時期は干さない

一時期ブームとなった布団乾燥機。やはり天日干しの実力には劣りますが、布団乾燥機も年々進化して注目を集めています。というのは、注目され始めたのは、花粉症に悩む人が急増しているためです。布団を外気に当てると、それだけで花粉が付着してしまいます。いくら一生懸命布団をたたいても取りきれるものではありませんから、その時期には外に干さないのが一番です。花粉症の人がいる家庭では、たとえ本人の使うものでなくても布団の天日干しはしないで、乾燥機を使うのがベストです。

布団乾燥機は表・裏、両面かける

布団乾燥機は、夜間にかいた汗を蒸発させるのに役立ちます。それでも、正しい使い方を知らなければ、その効果は半減してしまいます。
布団乾燥機は、たいてい布団は敷いたまま、掛け布団と敷き布団のあいだに挟んで熱風を送って乾かす方法が一般的です。ところが敷き布団が吸った湿気は、畳と接する裏側に、より多くたまっています。布団のあいだに熱風を送るかたちでは、裏側まで完全に乾燥させるのに結構な時間がかかってしまいます。
裏返して乾燥機に当てるようにすれば、湿気が飛ぶのが早くなりますから電気代の節約にもなります。

せんべい布団を蘇らせるには?

せんべい布団になってしまって、「これは捨てるしかない」と思えるものでも、これを試してからでも遅くないという解決策をご紹介します。ふっくらさせる方法でよみがえれば、また使えるようになるかもしれません。
布団は、側をはいで綿だけを外に干します。そのまま放置して昼間の日光、夜は、夜露に当て、これを5日間ほど続けます。水分を吸っては蒸発させることをくり返しているうちに綿がふっくらしてくるはずです。そうしたらまた側布でくるんで使えばいいでしょう。新品とまではいかなくても寝心地がよくなるでしょう。

布団の扱いについて(しまい方・使い方)

布団は自分専用のものを使う

睡眠には個人差があります。体格が一人一人異なれば、年齢、健康状態も異なり、体質も発汗量も個人個人異なります。そんな個人差に合わせて、布団の厚さや硬さを選ばなければならないのですから、たとえ家族であっても、布団を使い回したら安眠は得られません。個人に合わせてそれぞれの「マイ布団」を用意するのが安眠のためには必要です。

起床後にすぐに布団をあげない

起きたままいつまでも布団をたたまないのはだらしない、というのが子供のころのしつけだった人がほとんどです。しかし、毎日のように布団干しをしていた主婦が、仕事で外へ出ることの多くなった現代では、それは当てはまらなくなりました。
睡眠中にかいた汗を吸って、布団はしっとりしています。それをそのまま押し入れに入れてしまうと湿気が発散できず、こもることになります。カビの原因にもなります。せめて外出までの1時間でも、30分でも空気に触れて湿気を蒸発させてやるといいでしょう。
起床したら布団はそのままに、出かける直前にたたんでしまうようにすれば、いくらかでも湿気は抜けます。気持ち悪いようだったら就寝前に「布団乾燥機」を使うといいでしょう。

押し入れには掛け布団からしまってはダメ!

起床後、すぐにたたんだ布団を押し入れにしまうと、寝汗の湿気をふくんだまま収納することになる。だらしないようでも、起きてからしばらくは布団をそのままにして…というのは前に述べたとおりです。ただし、そのとき、床にのべてある順に、掛け布団、敷き布団と収納するのでは、仏つくって魂入れずになってしまいます。
もともと掛け布団の命は、ふっくら空気おおをふくんで軽く体を覆うところです。だからこそ、保温力も高まるのです。敷いてある順にしまうと敷き布団が上にのることになって、掛け布団はその重みでつぶれてしまいますから、押し入れにしまうときは、掛け布団をいちばん上にしまうようにします。

布団圧縮袋について

客用の予備布団や、冬用の厚いものの保管に、布団圧縮袋は大人気です。たしかに便利ですが、安易にどんな布団にでも使っていいものではありません。ビニール袋の中の空気を抜けば、そのぶん圧力がかかっているわけで、その力は想像を超える力で500kgにもなるのです。これをいくつか重ねた状態で何か月も置けば、天日に干したからといって、すぐ元にはもどりません。さらにポリエステル綿や羊毛は、一度つぶれてしまうと、日に当てても元にはもどらない性質があります。使う布団、使う期間には気くぼりが必要です。