無理に寝かしつけるのは?
子供は夜8時までに寝かしつけないと、規律正しい生活習慣が身に付かないと思っている親があまりにも多いことに驚かされます。子供の睡眠時間は、早く寝ようが遅く寝ようがほぼ一定です。早く寝かせれば、それだけ早い時間から起き出してくるのも自然です。たとえば、休日の朝にのんびりと朝寝を楽しみたいときは、前の晩に子供を早く寝かそうと努力せず、眠くなるまでほうっておくのもいいかもしれません。
近所や周りの子供が朝早くから起きているために、隣のうちの子と同じような生活習慣にしようと考えることはありません。
赤ちゃんの夜泣きはすぐに抱き上げない
育児中の家庭では、親のほうの睡眠不足がいちばんの悩みのタネになります。新生児なら、おむつ交換タイム、ミルクタイムなど、数時間おきに起こされて、母親ばかりか父親まで目が覚めて、慢性的睡眠不足に襲われがちです。まさに赤ちゃん中心の生活です。少し生長すると、次は、夜泣きです。翌日の仕事にさしつかえないよう、母親があわてて、表へ連れ出してあやすといったケースもみられます。しかし、赤ちゃんが泣いたからといって、あわてて対応するのはちょっと待つようにします。
しばらくぐずったあと、ふたたび寝入るのはよくあることです。赤ちゃんの行動に一喜一憂していたら、赤ちゃんもわがままに育ってしまいます。
最初のひと声で抱き上げたりする必要はありません。ちょっとだけ様子を見て、泣きつづける様子がなければほうっておいてかまいません。そのくらい図太くしていないと、親のほうが睡眠不足で昼間に疲れが出て、仕事場でトラブルを起こす原因になります。
夜驚症は、すぐに立たせてはだめ!
夜驚症というのは、読んで字のごとく、夜中に突然子供が目を覚まして、何かにおびえるように、悲鳴を上げたり、起きあがろうとする症状です。見ているとびっくりするが、別に病気ではなく、子供全体の約3%に見られる症状です。ほうっておくと年齢が上がるにつれて症状も出なくなるので、とくに心配はいりません。それよりも、こういう状態になったとき、大人があわてて子供を立たせないことが大切です。無理に立たせると、夢中遊行の症状につながることもあるるためです。
夜驚症はしからない
夜驚症は小学校の高学年になってもつづく場合もあります。これは、赤ちゃんのころの寝てばかりの毎日から、成長とともに、昼と夜を区別する生活リズムを身につけていかねばならないのに、それがうまくできないために起こるのが原因です。寝入ったあと起きだして騒いだときは、そっとなだめれば、中途半端な覚醒だから、またすぐに眠りに入れるはずです。
もちろん本人は覚えていないことがほとんどです。だから、そのときにしろ翌朝にしろ「寝ボケちゃだめ」などと叱ってはいけません。かえって寝るのを怖がるようになってしまいます。それよりも、昼間のうちに太陽を浴びてしっかり遊ばせ、夜との区別をしやすい習慣をつくって治すことに専念したほうがいいでしょう。
子供の夢に関心をもつ
気にかかることがあると、睡眠中も脳はそのことを考えつづけてしまいます。これは大人も子供も変わりがなく、レム睡眠中に夢となって頭を悩ませているはずです。
幸いなことにノンレム睡眠で忘れられればいいが、子供はレムからノンレムへ移行するときの一瞬の覚醒で、恐怖から泣いたり飛び起きたりすることがあります。「怖い夢を見たの? 」となだめてふたたび寝つかせるのは大事だが、それがあまりつづくようだと、睡眠不足、眠りの浅さから日中の生活に影響が留場合があります。
何より、それほど心にくったくを抱えている事実のほうが重要で、それを取り除くよう親のサポートが求められます。学校生括、友達関係など悩みのタネになりそうなものはないか観察し、解決の方向性だけでも見いだしてあげましょう。これで親にも安眠が訪れるのです。
お気に入りのぬいぐるみは洗う
子供の入眠儀式の一つに、お気に入りのぬいぐるみというのがあります。しっかり抱く、添い寝をするなど、これがないといつまでもグズり、旅に出るときももっていかねばならないなんてケースも多く、親を悩ませます。年齢がすすめば直るからしかたがないとあきらめるにしても、そのままにしておいてはいけない場合あがります。
それがぬいぐるみの洗濯です。中に詰められた綿は、ホコリをたっぶりためているだけでなく、ダニの温床となってしまいます。
人間から出るアカやホコリをエサにして生き延びるダニにとって、ぬいぐるみは絶好の棲処になってしまいます。
放置するとぜん息の原因にもなり、子供の安眠のさまたげになるので、こまめな洗濯と日光消毒が必須です。
夜驚症