布団に入ったら考え事をしない
眠りにつこうとして、なかなかその状態が訪れないと、今日の日中の出来事を思い出して反省したり、後悔したり。また、翌日しなければならないことを思い浮かべて、段取りしたり、スケジューリングしたりと、考えることはいろいろあります。ただ、こんな現実的なことばかり考えていては、そのあとにやってくる睡眠は、けっしてロマンチックなものではなさそう。どうせ考えるなら、もっと夢のあること、たとえば、いい夢を見ている自分を想像すれば、眠りをさまたげる雑念から逃れることもできます。夢の内容はどんなものでもいい。宝くじに当たった夢、スゴイ美人(美男子) とデートしている自分、豪華な毛皮をまとってロールスロイスに乗った自分などなど、夢はだれにも邪魔されず、いくらでも想像の翼が広げられるというものです。あまり現実的なことばかりを考えずに時には思いっきり現実逃避することも大切です。
悩み事は思い切って紙に書き出す
失恋、仕事上の失敗など悩み、お金のことなどの不安を抱えているとき、「さっさと寝れば、そのあいだは忘れていられるし、眠れば気分も変わってスッキリする」ことはあります。ただ、あまりに悩みが深いと、ベッドに入ってもそのことばかりくよくよ考え、寝つきが悪くなる人もいます。
そんな人は、無理をして忘れようとか、考えないようにしよケとしてはいけません。いっそ、ムクリと起き上がり、紙とペンを用意して、悩み事を細かく書き出してみるといいでしょう。失敗の原因とか、その結果、何が起こったのか、またそのために、これから先どうなりそうなのか…などなど。日記に書いてもいいし、ブログなどに書いてアップしてもいいでしょう。
だれかにあてた手紙を書く、という形でもいいでしょう。
これは、事実を客観的に見ることができて冷静になれるうえに、書き出すことで心にたまったストレスを紙に移す心理的効果もあります。とりあえずストレスを吐き出してしまえば、ベッドの中であれこれ考えることもなくなります。
寝るときの表情も大切
思い悩むことがあったり、仕事が頭から離れなかったりすると、布団に入ってもひたいにシワを寄せて考えこむことになってしまいます。この暗い表情が、何より安眠のさまたげになってしまうのです。思考が睡眠を招かないからなのだが、このとき無理をしてでも笑顔をつくればことはすむ場合もあります。まず、ちょっとだけ眉を上げると緊張がほぐれ、無意識に食いしばっていた歯をゆるめるだけで緊張がほぐれます。
その後にゆっくり笑顔をつくれば、脳の快楽中枢が刺激され安眠、快眠への道が開かれます。
ストレスでどうしても寝付けない時は「片鼻呼吸」
悩み・恐れ・不安などの心を重くする、いわゆるストレスの原因になるものです。寝床に入っても、これらのために寝つけないなら、ヨーガの手法で心を落ち着かせます。寝たままでもできる「片鼻呼吸」というのがあります。やり方は、かんたん。右手の親指で右の鼻の穴をふさぎ、左の鼻だけで息をゆっくり吸う。そのまま1~2秒息を止めてからゆっくり吐き出します。つぎに左の鼻の穴は右手の人差し指と中指で押さえ、同じ呼吸をくり返します。鼻の粘膜がつくりだす一一酸化窒素の働きによって、脳の働きが整えられる効果を狙った呼吸法です。
戸締まりは寝る前に
せっかくウトウトとしかけたところに、風でも出たのか勝手口の戸がガタガタといって、ハッとさせられることがありますね。「忘れずに戸締まりをしただろうか」。起き出して確認したのもつかの間、今度は表の道路を消防{日勤車が音を立てて走っていく。「あれ、ガスの元栓、ちゃんと締めたかな」とまた心配になって起きて、見にいく。こんなことをくり返していると、落ち着いた眠りはいつまでたっても得られません。
安眠の条件の一つに安心感というのがあり、地震や台風接近の暴風雨の中では、落ち着いて寝ていられないというのは、その安心感が得られないためです。戸締まりや火の元の確認を、就寝前の日課にして、おだやかな心で就寝できるようにしたいところです。
騒音を基にしない
住環境によっては、どうしても深夜まで騒音がつづき、それが不眠の原因になってしまうケースがあります。こういった場合、その昔が子守歌だと思えるように、心を入れ替えるとよい。線路ぎわで、終電までゴトンゴトンと音がつづくというようなところでは、その昔が睡眠への誘いだと考えます。もともと睡眠が外的要因に左右されると考えること自体をやめれば、リラックスした状態の証となる脳波、アルファ波も出やすくなります。「うるさい」とイライラしているtいつまでたっても眠れないものです。環境による影響は難しい面もありますが、考え方を変えることもひとつの方法です。
寝る姿勢に神経質にならない
左側を下にして寝ると、心臓を圧迫して安眠効果をさまたげるなどといわれています。また、胃腸の弱い人は、右側を下にして寝ると胃の消化運動を助けることになって、目覚めがスッキリするなどともいわれます。しかし、よほどの心臓疾患があるとか、食後すぐにちょっと昼寝などというケースでもないかぎり、寝る姿勢と安眠効果には、あまり深い因果関係がありません。どんな姿勢であれ、自分がいちばん寝つきやすい姿勢で休むのがベストでしょう。姿勢にあれこれ気を使うほうが、かえって安らかな眠りの妨げになるでしょう。
金縛りは気にしない
布団に入ってウトウトとしかけたところに、だれかに布団の上から押さえ付けられたようになるのが金縛り状態です。これを怪奇現象のように受け止めて怖がる人がいますが、じつは眠りのシステムを理解していれば何も不安がることはありません。人間が眠ると最初は、ノンレム睡眠から入り、やがてレム睡眠にかわり、一夜のうちにこれを交互にくり返していくのですが、どうかするといきなりレム睡眠があらわれることがあります。レム睡眠では体は眠っていても脳が活動しているために、意識だけ妙にはっきりしていて体が動かないという状態になってしまうのです。つまり、これが金縛りです。脳が体を動かす指令を出しても、それが体にうまく届かないというだけです。逆にリラックスしていることを実感できる「いいチャンス」くらいに考えておけばいいでしょう。