さわやかな朝と心地よい夜(快眠のために)

うるさい大きなイビキと無呼吸には注意 「睡眠時無呼吸症候群」

就寝中のいびき

就寝中にいびきをかく人がいますが、いびきをかく、かかないの違いはなんでしょうか?

などの要素があると、いびきをかく傾向があります。
仰向けで寝ると舌根部(舌のつけ根)が落ち込んだり上気道の筋肉がゆるんだりしますが、この狭くなった気道に無理やり空気を通すとのどから振動音が鳴ります。これがいびきです。

国内でいびきをかく人は、大人の15%程度といわれています。そのほか、ふだんはいびきをかかない人でも、深酒をしたときや疲れがあると上気道の筋肉がゆるんでいびきをかくことがあります。

いびきをかくとなにか障害があるのでしょうか?実は、いびきをかくと自分のいびきの音で睡眠の脳波は乱れます。そのため睡眠が妨げられて昼間に眠くなるなどの障害が出ます。
その中で最も深刻なのは「睡眠時無呼吸症候群」です。これは、ほうっておくとさまざまな弊害が起こるので専門の治療が必要です。
ただしこうした応急処置で症状が改善する場合は、それほど深刻にならなくてもいいでしょう。

では、睡眠時無呼吸症候群とはどのような症状をいうのでしょうか?
睡眠時無呼吸症候群は「睡眠中に無呼吸(10秒以上、呼吸が停止すること) が1時間に5回以上ある」ことが診断基準になっています。特に心配がないいびきの場合は呼吸が停止することはありませんが、睡眠時無呼吸症候群の場合は途中で呼吸が止まるのが特徴です。

原因はいくつかありますが、おもな原因は上気道の閉塞です。睡眠時無呼吸症候群の場合は、舌根部が落ち込んで上気道を閉塞してしまうため鼻やロヘ気流が生じません。
これは呼吸ができない無呼吸の状態です。この状態になると息ができないからだんだん苦しくなってきます。息をしようと思っても空気が入ってこないのです。やがて酸素は入ってこないし二酸化炭素も増えてくる。そうなると「このまま呼吸をしないと死んでしまいますよ! 」とさまざまな指令が呼吸の中枢に働きかけるのです。

そこで患者は「ががっ」という、とても大きないびきで無理やり呼吸を再開します。睡眠時無呼吸症候群の患者さんにとっていびきは大切な呼吸なのです。睡眠時無呼吸症候群は無呼吸→大きないびき→無呼吸を一晩中くり返します。重症なケースでは、3分間呼吸をしない患者もいるのです。

このような睡眠はなにが問題かというと、1つはとても質の悪い睡眠になることです。患者の脳波を測定して診断してみるとすぐわかるそうですが、無呼吸のときは睡眠の脳波が出ていますが、いびきとして呼吸を再開するときは覚醒の脳波が出てしまうのです。仮に1時間に30回無呼吸になるとしましょう。7時間の睡眠をとった場合は合計で210回睡眠が分断されていることになります。
そのため、6~7時間の睡眠をとっていても寝不足で、昼間の作業中、たとえば電車に乗っているとき、本を読んでいるとき、パソコンを打っているとき、車を運転しているときや会議中に非常に眠くなります。

居眠り運転事故の70% はこの疾患が原因であるとのデータもあるほどです。また、起床時に熟睡感がないこともあります。非常に眠けが強いため「ここぞ! 」という肝心なときに睡魔が襲ってきて、大事な書類を作成できなかったり会議中に寝てしまったりなど、ビジネスチャンスを失ってしまう人も多くいるのです。

働き盛りの男性に多い

この症状は、就寝中に起こります。そのため、自分でこの病気を判断するのはむずかしいと思いますが、基本的にはベッドパートナーの奥さんや恋人などに指摘されて気づかされるケースがほとんどです。
自分で自覚する方法としては、6 ~7時間の睡眠をとっていても昼間に強い眠けがあるときはそれを疑ってもいいかもしれません。
もう1つ特徴があるのが夜間の頻尿です。2~3時間おきにトイレに行く、または失禁するなどの症状が現われます。体は無呼吸のため低酸素にさらされているせいで、ホルモンの日内変動を刺激して昼間に多く分泌されるはずの利尿を促すホルモン(利尿ペプチド)が夜に多く分泌されるからです。

この病気は、圧倒的に男性に多いのが特徴です。1997年に成人男女4000人を対象に行われた調査によると、50歳代前半をピークにして働き盛りの30歳代後半から60歳代半ばがいちばん多いです。いわゆる企業戦士の人が多いのも特徴です。

そして睡眠時無呼吸症候群の最大のリスクはその危険性です。詳しくはこちら「睡眠時無呼吸症候群の注意すべき危険性」です。ひどい場合は、命の危険にもつながる病気です。たかがいびき…と軽視してはならない病気なのです。

一方、女性の場合は閉経後に現われやすくなります。女性の場合、閉経前はプロゲステロンという卵巣ホルモンが多く分泌されているため、それが呼吸中枢を刺激して規則的な呼吸を続けることができますが、閉経後は分泌が弱まるので羅患率が高まるといわれています。
しかし、男性患者が多いというのは、現代の50歳代くらいの夫婦の場合、奥さんがご主人より遅く寝て早く起きるというケースが多いため、女性患者は発見しにくいだろうということも考えられます。

それと、専業主婦の中に患者がいたとしても昼寝をしたりしていれば、それほど社会生活に支障をきたすことは少ないかもしれません。このように女性の場合はなかなか「眠け」という自覚症状がとらえにくいのです。加えて、女性患者が訴える症状でいちばん多いのは全身の倦怠感です。倦怠感は更年期障害の症状にも当てはまるので、睡眠時無呼吸症候群にまで注目されないこともあります。

日本で成人男女2万人を対象にした調査によると約2% が睡眠時無呼吸症候群に羅患しているとの報告もあります。この数字を基に計算すると、国内では約250万人が羅患していることになります。ですから、女性に限らず全体でも潜在人口はそうとう多いはずです。

肥満を解消する

質のいい睡眠をとるためにはどうすればいいのでしょうか?まずは睡眠時無呼吸症候群を改善することが先決です。睡眠時無呼吸症候群を改善するためには、肥満を解消することがいちばん大事です。
無呼吸症候群患者の70% はBMIが24以上で肥満の人が多いのです。残り30% は上気道が狭い、扁桃腺が大きい、舌が大きい、下あごが後退している、などが原因です。下あごの発達不全を考えたとき、今の子供はかたい物を食べない傾向があるので、その子たちが40歳、50歳代になると今よりも患者が増加することは間違いないでしょう。

肥満が無呼吸になる原因は、舌根部に原因があります。舌根部をスライスすると脂肪と筋肉がサラミのようにモザイク状になっています。肥満になると舌根部の脂肪が多くなり筋肉が少なくなって舌が大きくなります。そうなると舌が重くなって容易に奥に落ちて上気道を閉塞してしまうのです。

この睡眠時無呼吸症候群は、肥満を解消すると少しずつ改善します。ただ、急激なダイエットはリバウンドしやすいので月に1~2kg程度落とすことを目標にするといいでしょう。ダイエットに取り組む際には、運動やカロリー制限もいいのですが、まずは便秘改善に取り組むと代謝がアップし、痩せる体になっていきます。現在、特に太っていない…という人は運動不足ですので少しずつ歩く距離を増やしたり、エレベーターを階段にしたりと少しずつ体を動かします。

生活習慣を改めることは、痩せる大きなきっかけになります。酒の量を控える、たばこをやめるなどです。この病気は働き盛りの男性に多いので、付き合いが多く食習慣を変えることが難しいこともあります。まずいものを食べるというのはなかなか続かないので、味もおいしいイサゴールからはじめてみるといいかもしれません。イサゴールは、おなかの中で大きく膨らむ天然食物繊維加工食品で、コレステロールを低下させ、おなかの調子を整えます。

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