睡眠は自己管理が可能

週末の土日や祝日も定時に起床する

サラリーマンや学生に「一番嫌いな曜日は?」と聞くと決まってトップになるのが月曜日。土・日曜日の休日はあっという間に終わってしまいます。「ああ、明日は月曜日、また仕事に行かなくちゃ、朝早く起きなくちゃ!」という憂鬱な気分になった経験は、だれにでもあるのではないでしょうか。
一般にこれは、ブルーマンデーとも呼ばれます

普段から「朝に弱い」のだけれど、月曜日の朝は一段とつらいという人も少なくないはずです。しかし、どうしてつらいのでしょう。
休日だからと、土・日曜日は起きる時間がついつい遅くなってしまい、そのぶん寝る時間も遅くなり、普段の睡眠と覚醒のリズムが壊れてしまったからです。人間の体は、朝起きて夜眠るというリズムでまわっています。より正確にいうなら、ひとりひとりが朝何時に起きて、夜何時に寝るというリズムを持っているのです。
ですから、週のうち2日でもこのリズムが狂えば、たちまちほかの日にも影響を及ぼすのです。

「朝に弱い」人にとって、朝起きることは拷問のようなものでしょう。普段は、そのつらさを乗り越え、バッとふとんをはねのける任務を果たしているのと同じことですから、1日でもやめてしまうと、そのあとがつらくなるのです。

休日も平日もなく、毎日決まった時間に起きることを徹底すれば、だんだんと体も慣れ、前よりは快適に目覚めることができるはずです。こうしてやっと朝起きられるようになった人は、せっかく体が覚えたリズムを土・日曜日の寝坊で狂わせてしまってはもったいないといえます。

しかし、ウィークデーはいつも少ない睡眠時間でがんばっているのだから、休みの日くらいゆっくり寝ていたいという人もいるでしょう。
そのようなときは、朝起きる時間を遅らすのではなく、夜早く眠ればいいのです。金曜日に夜中まで騒いでいたのなら、土曜日の朝は定時に起き、普段できなかった掃除や買い物、スポーツ、映画などを楽しみ、夜はゆっくりお風呂に入って早めに寝れば、日曜日はいつもの時間に快適に目が覚めるはずです。

したがって、これで月曜日もつらくなくなります。1日は、朝、日が覚めてから始まり、いろいろな活動をし、夜眠って終わるというサイクルですから、毎朝スタートをそろえれば、あとは多少のトラブルがあってもリズムが狂うことはありません。

1日のリズムをつかさどっているのは体内時計ですから、それをコントロールするのは自分自身であることを、もっと自覚してほしいと思います。

自分に合った睡眠時間を見つけることが大切

快適に目覚めるためには、朝起きる時刻から自分に合った睡眠時間を逆算した時刻に寝ればいいともいえます。では、自分に合った睡眠時間は、どのようにして決めればいいのでしょうか。

睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があります。そして、約90分の周期で訪れるノンレム睡眠とレム睡眠のセットが、ひと晩のうちに何度か繰り返され、深いノンレム睡眠の時間が多いほど熟睡できます。
一方、浅いノンレム睡眠から深いノンレム睡眠に移行し、さらにレム睡眠に入り、再び浅いノンレム睡眠に移ろうとするときが、いちばん目覚めやすい睡眠の切れ目になります。

ですから、簡単にいえば、90分で割り切れる睡眠時間がよい睡眠時間となります。ただし、寝つくまでの時間も必要ですから、90の倍数時間プラス30分から1時間が、だいたいの目安といえるでしょう。

とはいえ、睡眠時間が3~4時間では足りないと思います。したがって、90分×4周期= 6時間、これに寝つくまでの時間をプラスすると、6.5時聞から7時間、もう1周期を加えれば入時聞から8.5時間。これが平均的な睡眠時間といえます。

もっとも、1周期にかかる時間や寝つくまでの時間には個人差があります。そこで、今の計算を念頭に置いて、いろいろなパターンを試してみることをおすすめします。就寝時間と起床時間、ちょっとしたメモを加えた「睡眠日誌」をつけるのも便利です。

これにより、自分の睡眠パターンが把握でき、睡眠は自分で管理できるという自覚も生まれます。体というのは重宝なものです。習慣づけてしまえば、それと意識しなくても決まった時間になれば眠くなったり、目が覚めたりするようになるのです。

現代は、自然な眠りを手に入れにくくなっています。自分の体に、多少の手助けをしてあげることもときには必要でしょう

寝過ぎは寝不足よりしんどい

毎日のこととなると、決まった時間に起き、決まった睡眠時間を守るのも、なかなかたいへんです。仕事も遊びも、やることは山のようにあります。現代は、好奇心の強い人にとって、活動してもし切れないほどの刺激に囲まれている社会ともいえるでしょう。

しかし、好奇心をより多く満たそうとしたなら寝る時間が遅くなり、いつもと同じ決まった時間に起きたら睡眠時間が減ってしまう。
逆に睡眠時間を守ろうと思えば決まった時間には起きられない。これでは、寝不足状態に陥るのは明白です。社会人ともなれば、毎朝決まった時間に起きなければならず、多くの人が睡眠時間を減らして忙しく動きまわっていることでしょう。

ですが、人間の体は酷使をすれば疲れてきます。そこで、せめて休みの日くらいは体を休息させようと、いつもより長く寝てしまうのでしょう。これは、仕方のないことでもあるとは思います。
長く眠るにしても、できれば前の日に早く寝ることにして、休日であってもいつもの時間に起きるのが望ましいのですが、休日の前日ともなれば気持ちも解放され、どこかへ食事に行ったり、飲みに行ったりすることもあるでしょう。

ストレスを発散させようと、翌日のことはいっさい考えずに騒ぎたい日もあるでしょう。このようなとき、休日に多少寝坊するくらいは、やむをえないかもしれません。

ストレスについてはこちら

問題は、休日だけ極端に寝過ぎてしまうことです。人間の体には回復力がありますから、起きていた時間が長いほど、深いノンレム睡眠の量が多くなり、熟睡できるようになっています。

ですから、いつもより2時間多く眠るだけでも、疲れはかなりとれるのです。つまり、1時間早く寝て、1時間遅く起きれば、普段より2時間多く睡眠時間をとれます。
この程度であれば、リズムをさほど狂わせることもありません。逆に、先週はずっと忙しかったから… … と、いつまでもふとんの中で目を閉じていたりすると、かえって疲れの原因になるのです。寝過ぎのときは、深いノンレム睡眠は訪れません。ですから、ふとんの中でうだうだしていても、ときおり意識が半分あるような浅い睡眠を続けることになります。

これでは、すっきりとした目覚めは得られず、その日の夜はいつまでたっても眠れないという悪循環になりかねません。したがって、翌日の朝はいつも以上に、起きるのがつらくなってしまうのです。

ウィークデーは決まった時間に起き、休日は寝過ぎるよりは、前後1時間程度の誤差があっても、毎日だいたい同じ時刻に起きるほうが、体のリズムは作りやすくなります。かといって、睡眠時間や起床時間にこだわり過ぎてしまい、それが負担になって3日坊主で終わるのでは意味がありません。
少々の誤差には目をつぶり、続けることが大切です。

睡眠と覚醒

疲れているとき、横になっていると楽なものです。その日はとりたてて予定がないとなれば、寝たり起きたりしながら1日中ベッドで過ごしたいという欲望もわいてきます。
ですが、1日中寝ていたからといって、それほど疲れがとれた気がしないことも多いはずです。体が重く、気分もシャンとしないのではないでしょうか。

このつらさは、特に時間が自由になるのをいいことに、毎日寝坊ばかりしている人のほうがよくわかっているかもしれません。寝過ぎは身体的にも精神的にもよくないのです。本当に眠るのが好きで、眠ることに人生の意義を見出している人が眠っている場合は違うかもしれません。

しかし、そのような人はまずいないでしょう。多少寝不足になっても、起きて活動していたほうが楽しいはずです。人間は、ある程度の緊張感を持つことで、バランスのとれた生活を送ることができます。
緊張感といっても、危険に対して身構えるということではありません。好きな音楽を聴く。胸を高鳴らせてデートをする。楽しいこと、うれしいことであっても、人間に緊張感をもたらします。

緊張感のない生活では、何をやってもそれほど楽しくありません。むしろ、無気力でつまらないものになるでしょう。刺激が何もないと、力が抜けてしまった生活しか送れません。毎朝、無理をしてでも起き、やるべきことをやるからこそ、休日に海辺でほんやりと過ごすことが心地よいのです。

毎日ただぼーっと過ごすしかない生活は、味気ないものでしかないでしょう。「めりはり」のある生活とは、楽しいことをより楽しくするスパイスのようなものかもしれません。

ちょっとした生活習慣で目覚めのいい朝を迎えるきっかけになる

しんどくてもパッと起きてしまったほうが気分はいい

現代のように睡眠時間がどんどん短縮されていると、自然に目が覚めるというより、目覚まし時計で無理やり起こされる人のほうが多いかもしれません。

さっき寝たと思ったら、もう朝か?と、愚痴りたくなると思いますが、とにかくバッと起きてしまうことが大切です。
睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠が1セットとなり、約90分の周期でひと晩のうちに何度か繰り返されるのです。この周期は1度目が覚めてしまうと、また最初の浅い睡眠から始まります。ですから、一度、覚めてまた少し眠っても、うとうとするだけで、かえって寝起きが悪くなってしまいます。つまり、二度寝をするくらいなら、多少つらくてもバッと起きたほうが気分は爽快です。

「朝に弱い」という人ではなくても、全員が本当に気持ちよく目覚めているわけではありません。前の晩、寝るのが遅ければ、もう少し寝ていたいと思うはずです。ただ、朝起きるというのも訓練で、そのつらさを振り切るのに慣れてしまえば、起きてからはそれほどつらくはなくなります。
朝、目覚めたらバッと起きて、いつもならうだうだと二度寝をしていた時間にコーヒーでも飲んだほうが、快適な1日を過ごせるでしょう。

朝の太陽光は最良の目覚まし時計になる

人間は、もともと陽が昇ると目覚め、陽が沈むと眠っていたわけですから、太陽の光を感じると「起きる時間」だと認識するセンサーを持っているのです。
試しに、目覚まし時計が鳴ったら、這ってでも、すぐに雨戸やカーテンを開け、日の光を浴びてみてください。まぶしさを感じると同時に、どんどん眠気が飛んでいくはずです。
そんなことぐらいでは起きられない、太陽が照っている下でもぐうぐうと眠れいやるという人もいるかもしれません。しかし、その眠りは浅く、決して疲れを癒すものではないのです。

横になって日を閉じてはいるけれど、意識が半分はあるのではないでしょうか。こうした眠りを続けていては、起きてからの気分がかえって悪いものです。わたしたちの体は、光によって「朝が来た」と認識します。

25時間でまわっている人の体内時計の一時間のずれを元に戻せるのも、光によって朝が来たことを認知できるからです。睡眠障害の治療法に、ある一定の時間、光をあてるという方法があるほど、朝の光には、目を覚まさせる力があります。

体温を下げると目が覚めやすい

体内時計は、睡眠と覚醒だけではなく、排泄、血圧、ホルモン、体温などのリズムもつかさどっているといます。なかでも、体温の変化は眠りと深い関係にあります。体温は明け方の、目の覚める少し前に最低になり、それから少しずつ上がり始めます。起きて活動を始めると、それに従ってどんどん上昇し、夜になるとピークを迎え、下がり出したころにちょうど眠気がやってくるというサイクルになっています。

それならば、体温を上げれば起きられるのではないかと考える人もいるでしょう。かといって、電気毛布などで体をあたためると、体温は上がりにくくなります。むしろ、ふとんを1枚減らしたほうが、寒さを感じた体が体温を上げて調節しようと動き始めます。

冬の寒い朝は、あたたかいふとんの中から出たくないものです。ですが、思い切って出てしまえば、下がった体温が上がり始めて目も覚めます。朝、日を覚ましたならば、電気毛布のスイッチを切ったり、上掛けのふとんを1枚減らすなどして、体温を下げれば目も覚めやすくなります。
目が覚めたらふとんをはねのけて、窓を思い切り開けて空気を入れ換えるようにすれば、なおさら効果があるでしょう。

朝のシャワーは自律神経の切り替えにおすすめ

今では「朝シャン」も一般的になりましたが、朝のシャワーは目を覚ますのにうってつけです。それも、熱いシャワーをバッと浴びるのがいちばんです。熱いお湯に打たれれば、眠り続けるわけにはいきません。熱いシャワーを浴びたあとは、肌が赤くなります。
これは、血行がよくなったということです。浴室の外に出ると、体から湯気が出ているのがわかります。熱いシャワーで急激に上がった体温を調節しょうとしているのです。

同時に、体のバランスを保つために、交感神経も活発に動き出します。そうやって、神経も活動の行動態勢に入るわけです。熱くて強烈なシャワーは肌を刺激し、神経に刺激を与えます。これにより、どんどん脳に指令が送られ、しだいに頭がすっきりしてくるのです。

また、眠っているあいだに多量の汗をかきますから、シャワーを浴びれば体もすっきりと快適になるわけです。さらに、水には不思議な効果があるようです。精神的にすっきりするだけでなく、「さあ、1日がはじまる!」という前向きな気分になるのではないでしょうか。

朝食は目覚めを促進

朝起きられない人は、ぎりぎりの時間まで寝ていますから、ほとんどの人が朝食抜きで会社や学校に向かわなければなりません。当然、昼までお腹は空っぽのままです。

朝食を抜いた人と朝食を食べた人とでは、さまざまなところに違いが出ます。まず、午前中の頭のすっきり感が違います。きちんと朝食を食べることで、脳や胃腸の目覚めが促進されるのです。
次に、朝食をとると便意を催します。眠っているあいだ休んでいた胃腸が、目覚めて動き出したのです。トイレに行ったか行かないかでも、1日の快適度は大きく変わります。

そして、朝食抜きを続けると、必然的に便秘を招いてしまいます。そのうえ、朝食を抜くということは、食事の時間がどんどん先送りされてしまうのですから、夕方、あるいは夜中にたくさん食べることになり、胃腸に負担をかけるので快適な眠りがじゃまされることになります。

つまり、朝食を抜くことは、食事だけでなく、目覚めもトイレも先送りになり、眠りにも影響を与え、一回転してまた目覚めに影響を与えるのです。逆に考えれば、おいしい朝食をとれば、目覚めもよく、一日の快適なスタートが切れるわけです。眠っているあいだは何も食べていないのですから、栄養を補給する意味においても、朝食の効果は大きいといえます。

心地よい目覚めには快適な睡眠が欠かせない

起床時間ではなく就寝時間を決める

就寝時間は定時で決まっている人にまったくばらばらになっている人がいると思います。人間とは勝手なもので、試験勉強のときは眠くなったらあとは明日にしようと寝てしまうのに、遊びに外出するときなどは、眠気を感じることもありません。

ついつい帰宅も遅くなり、寝るのが夜中の3時、4時になることもあるでしょう。最近は夜の娯楽も充実し、外でも家の中でも時間を忘れて楽しむことができます。
特に若いうちは、少しくらい睡眠時間が足りなくても、体に支障が出るわけではありません。そのため、寝る時間もどんどん遅くなってしまいます。特に外出をしなくても、家に帰って夕飯を食べ、テレビを観ていたら十11時、12時になっていたということも珍しくないでしょう。それからお風呂に人り、本を読んだり、またテレビを観たりしているうちに時間が過ぎ、結局寝るのが2時、3時になることも多いのではありませんか。

しかし、考えてみてください。寝るのが遅くなり、睡眠時間が少なくなれば、朝起きるのがつらくても当たり前なのです。近ごろ、急増している「朝に弱い」人たちのうち、単に睡眠時間が足りないだけの人も少なくないのではないでしょうか?

どうして朝起きられないのだろうと嘆く前に、まず、早寝を実行してください。7七時に起きるのなら、しばらくのあいだ、毎日23時にふとんに入るのです。1ヶ月後には、きっと、朝起きるのがずいぶんと楽になっていることと思います。
きるためには、目覚まし時計を起床時間にセットするよりも、寝る時間をきちんと決めて実行するほうが効果的です。

眠るゾ!という意識にするための工夫

眠ることは自然な行為ですが、昼夜の別のない現代では、何かのきっかけがないと眠りにくいという人も増えているようです。早く家に帰ったのに、ついつい夜更かしをしてしまう人などは、眠れないというよりは、寝るきっかけがつかめないということができます。

その理由の1つとして、独立した寝室を持っていないことがあげられます。家族と同居している人は、自分の部屋はあっても、それはC D を聴いたり、テレビを観たりしてくつろぐ部屋であって、眠るための部屋ではありません。一人暮らしであればなおさらです。寝室は、居間兼食堂という人がほとんどでしょう。深夜でも電気はついているし、テレビは遅くまで放送しています。これでは、眠気をキャッチしても、「さあ寝るぞ」といケう気持ちにはならないはずです。

このような状況の中では、眠るための環境を意識的に作り上げる必要があるといえるでしょう。とはいえ、寝室を独立させて持つほどの余裕もありません。そこで、たとえその部屋が居間兼食堂であっても、寝息ときには寝室だと自分で思い込むような工夫をするのです。どういう寝室が自分にとって最適であるかは、それぞれの感覚で想像してみてください。

とにかく、この部屋に入れば眠るんだと思える、起きているときとは違う気持ちになれる空間を作り出すのです。たとえば、照明はできれば間接照明にして、ほの暗い感じにするといいでしょう。手元のスイッチで操作できるるものにすれば、眠くなったときにはすぐに電気が消せます。

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http://sleep-guide.net/important/archives/281

もっとテレビを観たい、もっとテレビゲームをしたいという誘惑を断ち切るのです。朝起きられないというと、朝起きることのつらさばかりを考えてしまいますが、夜起きていたいことをがまんすることも必要です。「明日は朝が早いからもう寝よう」という自分が、「もっとテレビを観たい」という自分に負けてしまうから、ついつい夜更かしをしてしまい、翌朝起きるのがつらくなるのです。
そうした自分をコントロールする意味でも、眠る空間、眠る環境を整備することは大切です。23時になったから、部屋の電気は消してスタンドだけにする。これだけでも翌朝の目覚めがすっきりすると思います。

自分だけの入眠儀式が必要

環境が整ったら、次は精神的な動機づけを行ないましょう。どうも眠る気分になれない、心配事があるというときに有効なのが「入眠儀式」です。

これは、大げさに考える必要はありません。毎日、寝る前に、ある決まったことを自分に課し、これをすれば自分は眠れるんだという条件づけをするのです。簡単にいえば、歯磨きや洗顔も条件づけの1つです。ふとんに入って眠るまでのあいだに、軽い読み物を読むという方法もあるでしょう。

あるいは、寝る前には必ずこのCDをかける、お香をたくということでもかまいません。とにかく、自分にとってこれが眠る前の儀式だというものを決めておけば、眠るきっかけになります。

この儀式を行なうことによって、これから自分は眠るんだということを認識することができます。また、その日にあった嫌なことや心配事などの、心地よく眠れない要因を頭からぬぐいさる効果も生まれます。社会が忙し過ぎるのか、人間が欲張りなのか、これから眠ろうというのに、さまざまなことが頭の中に浮かんでしまい、脳を休めることができません。入眠儀式によって、頭の中を空にして、自然に安らかな眠りにつきましょう。

入浴後が最高のコンディション

「頭を空にしましょう」といっても、すぐには実行できない人もいるでしょう。仕事の緊張感や楽しんだあとの興奮、明日の心配事にとりつかれた心をほぐすには、寝る前にリラックスタイムを賃」とが有効です。

そのためには、まず家に帰ったなら仕事のことは考えない。活動するところとリラックスするところは、しっかりと分けたほうが能率も上がり、心も休まります。心身ともにリラックスするのに、いちばんいい方法はお風呂です。
それも、短時間でシャワーだけですませるのではなく、ぬるめのお湯にゆっくりとつかってください。お風呂の利点はいくつもあります

入浴で芯からじっくり温める方法 | 便秘は冷えが原因
http://constipation-guide.net/cold/?p=188

まず、あたたまることで血行がよくなり、緊張でこちこちになった首や肩のこりをほぐしてくれます。手足や腰の疲れもとれるでしょう。

、お風呂から出ると、あたたまった体から徐々に汗もひいていき、体温が下がり始めます。ここを逃してはなりません。体温が下がるころ、眠気が訪れるのです。
汗がひいたころにふとんに入れば、心地よい眠りに誘われ、いっさいのことを忘れて眠れるはずです。まさに、風呂上がりは最高のコンディションなのです。

ただし、極端に熱いお風呂は避けたほうが無難です。体に負担がかかるばかりか、出たあとの体温を調節するために、交感神経が活発に動き出してしまいます。夜はぬるめのお風呂で眠気を誘い、朝は熱いシャワーで目を覚ますのが、かしこい入浴法といえるでしょう。

心身をリラックスさせる方法

これから紹介する4つの方法は、一1人で簡単にできるものばかりです。毎日、寝る前の習慣にしてもいいでしょう。

  1. 瞑想
    眠りにつくときは脳波がアルファー波に変わります。逆に、アルファー波が出ている状態とは、まさに「寝入ろう」とする状態だともいえます。「瞑想」をすると、心が静かに落ち着き、アルファー波が出てきます。つまり、眠りに入りやすい状態になるのです。瞑想は精神を落ち着け、心のいらいらを静めるのにも効果があります。最近は、瞑想のためのCDもたくさん出ています。

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    http://sleep-guide.net/important/archives/355

  2. イメージトレーニング
    「イメージトレーニング」とは、スポーツ選手が理想のフォームをイメージし、勝利の場面を思い描くことでハ自分の体をその状態に導こうというものです。
    これは、プレッシャーや心配事を追い払うことにも応用できます。ふとんに入ったときに、心配事が頭に浮かんだなら、それを落ち着いてクリアしている自分を頭に思い描くのです。そして、「絶対に大丈夫だ」と自分に暗示をかけ、とりあえず頭からマイナスイメージを取り除いてしまいます。夜眠るときにいくら悩んでも、結果が変わることはなく、いいこともありません。むしろ、自分なりに悩みを忘れる方法を覚えておくほうがよいでしょう。また、ふとんの中で「熟睡している自分」の姿をイメージするのも、眠りを誘発するには効果的です。
  3. 腹式呼吸
    「腹式呼吸」とは、お腹から声を出すことです。学生時代、演劇部の人たちが校舎の屋上で発声練習をしているのを開いたことはありませんか。
    このときの呼吸が腹式呼吸です。腹式呼吸の場合、吸った空気をお腹に入れ、吐くときにはそれを出しますから、息を吸うとお腹がふくらみ、吐くとへこみます。仰向けになって、この要領で静かに呼吸をしてみてください。だんだんずっしりと、体が落ち着いてくるはずです。このような状態になれば、眠りに入るのも近いでしょう。
  4. 柔軟体操
    5分足らずの柔軟体操であっても、血液の循環はよくなり、こちこちに緊張した体もほぐれます。ストレスがたまると体も硬くなります。無理をせずに、ていねいに、ほぐすような気持ちで体を動かしてみてください。
    ただし、やり過ぎは禁物。休もうとしていた脳が、活発に活動を始めてしまいます。5分程度がちょうどいい時間です。

快眠のためには寝具もチェック

不眠とストレスの関係

ストレスはさまざまな形で体に影響する

ここ数十年の短期間の間に日本だけでなく世界はめまぐるしく進歩し、なかなかのんびりとは生きられない時代になったようです。
現代では、ストレスという言葉が当たり前のように行き交うようになりました。特定の病気が診断されないときには「ストレス」という言葉で片付けられてしまうケースも増えています。

症状がある人は、何らかの形で、このストレスを感じている人たちです。ストレスは、心地よい眠りの大敵です。わたしたちはどういうときにストレスがたまったと感じるのでしょうか?

仕事が忙しく、常に緊張していてホッとひと息つく間もないとか、いらいらした状態が続いているとか、ひどく気を使って精神的に疲れているというときです。そして、こうした原因によって心にたまったもやもやは、精神的なものであるにもかかわらず、体に影響を及ぼします。精神的な不安ヤプレッシャーが、自律神経とホルモンの中枢に作用することは、医学的にも解明されています。

自律神経やホルモンの異常は、あらゆる症状を引き起こす可能性があります。首筋や肩が痛くなったり凝ったり、胃腸の調子が悪かったり、抵抗力がなくなり風邪を引きやすくなったり、体のあらゆるところに、いろいろな形で出てくるのです。

こちらのうつの代表的な症状は参考になります。

日頃の生活で「うつ」とは気づかないケースにこそ注意しなければなりません。
女性の場合だと、生理に関連して症状が出るケースが多いので注意します。

こうした症状はだれでも経験することですから、すぐにはストレスが原因だとは気づきません。「朝に弱い」人の中にも、ストレスが原因の人は多いはずです。単に低血圧なだけかと思っていたら、思わぬところに原因があるかもしれないのです。

原因不明のストレスは不眠が解消すれば治るケースが多い

眠りを妨害するストレスの最たるものは、「うつ状態」です。うつ状態になると、寝つきが悪くなり、眠ってもすぐ目覚めてしまうという浅い眠りばかりが続きます。
熟睡できないので、十分に寝たという気がせず、昼間はだるくて仕方がありません。うつ病の場合は、生きる気力がなくなり、元気もなくなるという精神的な症状が伴うので、多少なりともわかりやすいのですが、前にも述べたように、「仮面うつ病」は、その名のとおり、精神的な症状が表に現れません。

悩みは何もないのに、眠れない、だるいという身体的な症状しか出てこないので、病気だという自覚が生まれにくくなります。では、仮面うつ病の原因であるストレスとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

仮面うつ病が最も多いのは、20代後半の女性だと思います。仕事にも慣れ、責任も出てきて、ある程度の自信もついたころです。また、もっとできるんじゃないか、いいところを見せたいという欲も出てくるころです。若いから、女だからといってなめられてはいけないと、多少無理をしてもがんばってしまう時期でもあります。

しかし、実際は、まだまだうまく処理できないことがあって当然なのです。それを120%の力で無理やりがんばろうとするから、少しずつストレスがたまってしまいます。眠れない、体がだるいという症状が出てきているのに、弱音をはいてはいけないと、休まずにがんばって、ついには体が持たなくなって来院するのです。

このように、仮面うつ病のストレスは、がんばり屋で弱音をはかないタイプの人にたまりやすいといえます。原因不明の不眠で悩んでいる人は、ちょっと立ち止まって自分を振り返ってみてください。

プレッシャーや心配事は脳を眠らせてくれない

きているときの人間の脳は、さまざまな刺激に自在に対応する俊敏性をかね備えています。何が起こっても瞬時に対応できかように、常に緊張状態で身構えているのです。それくらい緊張しているわけですから、集中して頭を使ったあとは熱くなり過ぎていて、しばらく冷やしてからでないと眠れないこともあります。

また、眠ろうとしたときにちょっとした刺激があると、びくっと再度緊張してしまうのです。プレッシャーや心配事は、ストレスとなって心に居座ります。ストレスに居座られていると、脳は常に力を抜けません。
したがって、ストレスは脳に緊張状態を強いているようなものです。ふとんに入ってもあれこれ考えてしまい、脳が緊張から解放されなければ、なかなか眠ることはできないでしょう。

ストレスの原因は、初めのうちはささいなものである場合も多いのです。小さいうちにきちんと解決するか、少なくとも眠るときは忘れるような努力が大切でしょう。

スムーズに起床できないからストレスがたまる

朝起きられないことが、ストレスとどう関係があるんだろう?と思われるかもしれません。しかし、「朝に弱い」ということは、社会のしくみに出遅れてしまうわけですから、それによってストレスがたまる部分は、実に大きいのです。

朝の通勤途中のいらいらから始まり、会社に着いたと思ったら、考える余裕もなくなく会議が始まる。精神を落ち着かせようとあせるけれども、なかなか、うまくいかない。
午前中はさえない頭に、自分自身でいらついてしまう。仕事ができても、遅刻の常習者では借用されない。朝食を抜けば便秘や生理不順などを引き起こし、体のバランスが狂い、精神のバランスも悪くなる。こうしてたまったストレスが体に影響し、だんだんと夜の寝つきが悪くなれば、なおさら、朝起きられないという悪循環を招きます。
朝起きられないことがストレスを生み、そのストレスがまた朝起きられなくしているなんて本当にバカらしいのです。

熟眠を妨げる要因(お酒、カフェイン、睡眠導入剤)

お酒はたくさん飲むとNG

「寝酒」という言葉があるように、昔からお酒は睡眠を誘発するイメージが強いようです。確かにお酒を飲むと眠くなります。赤ちょうちんを見ると反射的に気持ちがうずうずしてしまうという酒飲みがいます。お酒を抜くとなかなか眠れない習慣がついてしまっています。

簡潔に言うと、寝酒(ナイトキャップ)の注意点にまとめてありますが、ここでは寝酒のデメリットについても詳しく見ていきたいと思います。

寝る前にちびちびとお酒を飲み、ポーっとしたころ目を閉じると、何ともいえない心地よい眠りに誘われるという人もいます。たしかに、アルコールには、脳をぼんやりさせる作用があります。これによって、眠くなったと感じるわけです。

しかし、飲み過ぎると、これがかえって逆効果になります。飲み過ぎによって神経が麻痔すると、ノンレム睡眠とレム睡眠のセットでまわっている通常の眠りのバランスが崩れ、結果として眠りが浅くなる傾向があるからです。

一時的には、非常に深い睡眠が得られたような気がします。ですが、通常のリズムではありませんから、まだ起きる時間でもないのに、突然目が覚めたりするのです。

また、お酒には水分を奪うという性質があります。酔っていい気持ちで帰って、そのままぐっすり寝込んでしまったのに、突然夜中に喉が渇いて目覚め、がぶがぶと冷たい水を飲んだ経験のある方も多いのではないでしょうか。

一時的に気持ちよく眠りについても、こうして夜中に目覚めてしまっては、眠りが分断され、快適な眠りは得られません。そのうえ、度を越した酒量を摂取した翌朝は2日酔いも重なりますから、よけいに起き上がることがつらくなります。ただでさえ「朝に弱い」のに、二日酔いのつらさが加わったのでは、よい目覚めが期待できるはずもありません。

アルコールは睡眠薬ではない!

お酒は寝つきをよくする効果はあるけれど、少量以上はかえって害になると考えたほうが無難です。それでは、少量とはどのくらいかといわれると、これは千差万別です。どのくらい飲めばどのくらい酔うかというのは、体内にあるアルコールの分解酵素の量によって決まるのですが、その分解酵素の量は人によって違います。

ですから、寝る前にブランデーを1杯というように、ちょっといい気持ちになって眠りやすくなったかな?という程度におさえておくほうが得策でしょう。

ただ、アルコールというのは、毎日飲んでいると、だんだん同じ量では酔わなくなります。つまり、同じ量では以前のいい気持ちが得られなくなってくるのです。

「いい気持ち」を得るためには、飲む量を増やすことになります。これを繰り返していると、体によくないばかりか、飲まないと眠れなくなってしまうのです。この状態がどんどん高じると、「アルコール依存症」予備軍にもなりかねません。アルコールは、眠るための薬ではないという自覚が大切です。

お酒というのは本来、楽しみのためにあるものです。風呂上がりやスポーツのさかなあとのビール、おいしい肴で飲む日本酒など、アルコールならではの味わいもあります。ぼんやりとバーで飲む1杯のウイスキー、仲間とわいわい騒ぎながら飲むチューハイが、違う世界に運んでくれることもあるでしょう。

悩みを抱えていると快適な眠りは得られませんから、お酒で発散するのは有効だともいえます。しかし、眠りという点だけで考えれば、多量のお酒はよい眠りを作り出すことはできないのです。

寝る前に脳を興書させると眠れない

眠っているときと起きているときとでは、脳の働きは異なります。眠っているときは、外界からの刺激を受けても反応しません。ですから、声をかけても目が覚めないのですが、スイッチを切り換えるように、脳が刺激に反応しなくなるわけではありません。

目が覚めてもしばらくはぼんやりしているように、眠りにつくあいだも、だんだんと脳が刺激を感じられなくなり、ぼんやりして、最後には声をかけても気づかないほどの深い眠りに入るわけです。ですから、脳がそろそろ眠る時間だと刺激に鈍感になってきたときに、急に興奮するようなことが起これば、脳は驚いて身構え、またバッと目が覚めてしまうということになります。

「興奮する」というと、地震が来て飛び起きるといった状況をイメージしがちですが、深夜テレビでおもしろい番組を観るとか、どきどきしながら推理小説を読むという刺激でも、十分に脳は興奮してしまいます。
明日の会議のことが気になるといった心配事も、逆に明日のデートが楽しみだといったうれしいことも、脳には強烈な刺激になってしまうのです。そ

ろそろ寝る時間だというときには、テレビを消し、本を読むならちょっと読んだらあきてしまうような内容のものにしたほうがいいかもしれません。

また、体が疲れれば快適な眠りが得られるだろうと、寝る前にジョギングをする人がいますが、これも逆効果です。激しい運動も脳を興奮させてしまいます。そのうえ、寝るときには下がり始めるはずの体温が上がってしまうので、なかなか寝つけないということになります。

睡眠導入剤は毒にも薬にもなる

ストレス社会といわれている現代では、くたくたに疲れているのに寝つきが悪い、ぐっすり気持ちよく眠れないという人が増えています。
睡眠が人間の健康にとって、どれだけ大切なものかを実感するのは、心地よい睡眠が得られなくなってからなのです。

ここにある方(Aさん)の例があります。
Aさんが不眠を訴えるようになったのも、入社3年目に大きなイベントの進行を任されたのがきっかけでした。やらなければいけないことは山ほどあるし、不安とやる気が混じり合い、力が入ってしまったのでしょう。
それまでは、横になったと思ったら、気持ちのよさそうな寝息をたてていたのに、ふとんに入ってからもなかなか寝つけない日々が続きました。

数日、経過すると、だんだん体はだるくなり、動きも鈍くなってきたといいます。倦怠感が強く、頭もぼんやりともやがかかったようになり、判断力も想像力も鈍ってしまったそうです。睡眠時間が足りないから、朝の目覚めもすっきりせず、力がありません。
やっとの想いでふとんを出て会社に向かうことになります。いつもなら、お酒を飲んでワッと騒いで忘れてしまうような性格なのですが、今回は責任が重くのしかかっていたために、酒場に繰り出す気にもなれなかったといいます。

そこで、このままでは仕事にも影響が出ると心配し、薬局で相談し、軽い睡眠導入剤を買ったのだそうです。その夜、さっそく薬を飲むと、強烈な眠気に襲われ、ふとんに入ったとたんに眠ってしまったといいます。それまでなぜ眠れなかったのか不思議なほどで、翌朝もバッと気持ちよく目覚めたそうです。睡眠導入剤も、この1回でやめれば問題はありません。

どのような原因による不眠だとしても、眠ろう眠ろうと過度に神経質になったり、不眠によって体がぼろぼろになってしまうくらいなら、一度ぐっすり眠ったほうが健康にもいいでしょう。

睡眠導入剤で眠った翌日は必ず不眠になる

Aさんは、久しぶりに気持ちよく出勤し、仕事に熱中できたといいます。そして、残業までして家に戻りました。お風呂に入って、明日もがんばるぞ! とばかりにふとんに入ったのですが、いっこうに眠くならないのです。しかも、すっかり目がさえてしまって、意識もはっきりしたままなのだそうです。

これは困ったと思い、また睡眠導入剤を手にとりました。効果は抜群で、その日は前日と同じようにぐっすり眠れたのですが、次の日の夜になると、また眠れなくなってしまったのです。こんな日が数日続いたあと睡眠外来を受診しました。

これは、まさに睡眠導入剤による眠りの特徴なのです。睡眠剤の眠りは強烈で、眠るのはこんなに簡単だったのかと思うくらい熟睡できます。
そして、翌日は「ああよく寝た」と、気持ちよく日が覚めるのです。そして、1日中、爽快な気分で仕事ができます。問題なのは、その日の夜です。寝ようと思っても眠れなくなるのです。
前日に熟睡、というより爆睡しているから、眠れなくても仕方がないのです。睡眠導入剤による眠りは、熟睡のあとに眠れない1日がセットされていると考えなければいけません。それを知らずに、前の日のように熟睡できるなら?と思って、また薬を飲んでしまうと、やめられなくなってしまうのです。

睡眠薬の作用、副作用についてはこちらに詳しく紹介されています。

睡眠導入剤の眠りは自然の眠りと違う

睡眠導入剤の効果は抜群です。しかし、睡眠導入剤による眠気と自然な眠気とは、まったく次元の違うものなのです。わたしたちは毎日、疲れて眠くなってからふとんに入るかといえば、そうではありません。あまり眠くはないけれど、そろそろ寝る時間だからとふとんに入り、ぼんやりしたり、スタンドをつけて本などを読んでいるうちに、眠気に襲われるという場合も多いはずです。

睡眠導入剤というのは、こうした眠りにつくまでの自然のリズムをいっさい無視し、薬の作用によっていきなり眠りに落とすのです。
また、睡眠導入剤による眠りは、質の部分でも自然な眠りとは違います。通常は、ノンレム睡眠という深い眠りとレム睡眠という浅い眠りが1セットになり、それが何度か訪れますが、睡眠導入剤の眠りはひたすら深い眠りなのです。このことは、脳波を見ればすぐにわかります。

ですが、前後不覚に眠り込んだ本人には、どんな眠りだったかという意識もありませんから、十分に寝たという満足感だけが残り、だんだんとそれが忘れられなくなってしまうのです。やがて、通常の眠りではまどろっこしくなり、翌日も翌々日も睡眠導入剤に手が伸びます。そのままにしておけば、ついには、それなしでは眠れなくなるという、困った状況を引き起こしかねません。

長い人生のうちには、恋人が浮気したとか、離れていったとか、何かで頭がいつぱいになって眠れない日が続くこともあると思います。こうした日が1週間も続けば、頭はぼんやりし、体もだるく、何もかも忘れて眠りたいと思うこともあるでしょう。

そうしたときに、1粒飲むくらいなら仕方ありません。しかし、翌日眠れない夜が来ることを覚悟しておいてください。睡眠導入剤を常用しているうちに、通常の眠りでは満足できなくなり、薬がもたらす強烈な眠りでなければ眠った気がしなくなります。
これでは、もう「睡眠薬依存症」の道を歩むしかなくなるわけです。

今は便秘薬にしても、自然の作用を薬が肩代わりできるようになりました。ですが、これはあくまでも、そのときだけの対症療法であり、解決策ではないことを自覚してください。

長過ぎる昼寝やうたた寝は快眠の敵

寝る時間が惜しい!とよくいいますが、寝るのが苦痛だという人はあまりいません。がんばって働いたり活動した日の夜、ふとんに入って横になるのは、たいへん気分のいいものです。
ところが、なかなか寝つけなかったり、眠りが浅く、何度も目が覚めてしまったりではそうもいきません。では、どうすれば快適な睡眠が得られるのか。当たり前のようですが、寝る前には、当然ですが、きちんと起きていることが大切なのです。

つまり、長過ぎる仮眠は、快適な睡眠を奪うということです。快適な眠りとは、ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に訪れ、しかも、ノンレム睡眠中に深く眠れるということです。深いノンレム睡眠は、起きていた時間が長ければ長いほど多くなるといいます。
10~20分程度の仮眠は夜の睡眠を妨げないといいます。

もちろん、毎日のことですから、眠らない時間が極端に多過ぎれば、いくら深い眠りが訪れようとも、次の日に影響するでしょう。
しかし、反対に、健康な体なのに、ごろごろ寝ていては、深い睡眠は得られないのです。「寝つきが悪い」人の話を聞くと、お昼ご飯を食べてから、つい2時間ほど眠ってしまうとか、晩酌のあと1時間ほどうたた寝をしてしまうという人が少なくありません。

普段よりも睡眠時間が少なかったときなどは、ちょっとの仮眠でずいぶん元気になることもあります。ですが、す。特に、夕方以降は禁物です。ですが、くれぐれも仮眠は長過ぎないようにすることです。特に、夕方以降は禁物です。い数時間前に眠っていては、寝つきが悪くなっても仕方ありません。

めりはりのないだらだらした生活をしていると、かえって疲れるといいます。それは、眠る時間と活動の時間がはっきりしていないために、両方の密度が薄くなってしまっているからでしょう。

カフェインは目をスッキリ覚ます効果

朝、1杯のコーヒーで眠気が覚め、頭がすっきりしたという経験を持っている人は多いと思います。それは、飲み物が入って胃腸が目覚めると同時に、コーヒーのカフェインが脳を刺激するからでしょう。

コーヒーのカフェインには目を覚ます効果があります。つまり、逆に考えれば、カフェインには眠りを妨げる効果もあるということです。
人によって効き目もさまざまですが、寝る2~3時間前にはコーヒーを飲まないという人もいるくらいです。ただし、カフェインが入っているのはコーヒーだけではありません。緑茶にも、コーラにも、今はやりの健康ドリンクにも入っています。食事が終わってから、お菓子を食べ、お茶やコーラを飲んでテレビを観ていたりすると、カフェインで寝つきが悪くなっているうえに、お菓子が胃腸にもたれて眠りが浅くなってしまいます。

また、寝る前に水分をとり過ぎると、寝入ったころにトイレに行きたくなり、目覚めることもあります。基本的には、寝る前にあまり飲んだり食べたりしないことです。風呂上がりに喉が渇いて健康ドリンクを飲むときは、ボトルの表示をよく見てください。カフェイン入りの飲み物はけっこう多いはずです。滋養強壮剤などはほとんどにカフェインがしっかり入っています。

体のことを考えて睡眠薬以外でぐっすり眠りたい方はこちら

朝の時間は使い方次第で有効な時間に

朝の60分は、夜の数時間分にも匹敵する

忙しい人ほど朝早く起きているという話をよく耳にします。1日のスケジュールびっしりで、夜は夜でパーティーや夕食会などに参加しなければならない人にとっては、朝がいちばんスケジュールをとりやすいのでしょう。

散歩をしたり、ジョギングで汗を流したり、仕事とはあまり関係のない本を読んだりなど、仕事に行く前の朝の時間というのは、やり方しだいで有効に使えるものです。それだけではありません。仕事のあとでは、ぼんやりしてしまって頭がしっかり機能しないことも多いかもしれませんが、朝ならば疲れがとれているのですから、脳も元気で集中力があります。
体も同様に、仕事のあとはくたくたですが、朝にはまた元気を取り戻しています。そのうえ、夜ともなれば飲みに行こうとか、ビデオやDVDを観ようなど、多くの誘惑が生まれます。

しかし、朝にはそういったものがありませんから、自分だけの時間を有効に使うことができるのです。とりあえず、1日でもいいですから、いつもより1時間早く起きてみてください。そして、散歩をするなり、本を読むなり、ゆっくり朝食をとって新聞を読むなりしてみてください。その時間の長さに驚くはずです。同じ時間なのに、朝の1時間は夜の何時間分にも感じることでしょう。

毎朝1時間が積み重なると大きな成果に

毎日早朝に行なわれる英会話のクラスに通い、2年間で十分に会話ができるようになった青年がいます。海外旅行が好きで、連休のたびに貯金をはたいてはさまざまな国に出かけたそうです。
そして旅行から戻るたびに、もっと英語ができたら行動範囲も出会う人もずっと広がるのに…と悔しい思いをしたといいます。何度目かの旅行の帰路、ついに彼は行動に移そうと決心しました。会社の近くに英会話のスクールがあり、初めは夜のクラスをとったそうです。

始まりは午後の6時半ですから、会社が終わってからでも十分間に合うのですが、残業が入ったり、上司に酒場に誘われたりして、なかなか続けられなかったといいます。仕事が忙しくなれば息抜きも欲しくなり、今日はまあいいかと、同僚と飲みに行ってしまう日もあったそうです。結局、休みがちになってしまい、授業も飛ばしてばかりでは身が入らず、思い切って朝のクラスに変更したのです。

最初のうちはつらかったものの、これまでのように休んで月謝をむだにしたくないという気持ちも強く、ときには這うようにして通ったそうです。

彼によると、起きるときはふらふらでも、クラスへ行けば、楽しくて目が覚めるのだそうです。15五人近くのクラスなのですが、一方的な授業ではないので緊張もするし、学生を中心にさまざまな職種の人たちなど、面白い顔ぶれが集まっているので、雑談をしても刺激になるというのです。そのうち、それが日課になり、毎日通って英語も上達するから行くのがますます楽しくなり、2年間続いてしまったといいます。毎晩仕事が終わってから、自分だけの自由時間を1時間とろうと思っても難しいものです。

しかし、朝なら決心しだいで十分可能になります。水泳でも、少しずつ絵を措くことでも、通信教育で資格を取ることでもかまいません。
何をするにしても、朝の一時間が積もれば大きな時間になるはずです。起きるのがつらくても、目標があれば励みにもなります。そのうえ、今まで気づかなかった何かを自分の中に発見したり、上達するという喜びを実感すると、ますます楽しくなるに違いありません。

これまでふとんの中にいた1時間も、積もれば自分の財産になるのですから、朝の時間は見過ごせません。

15分早く起床すれば1日に余裕がでてくる

早起きにはもう1つの利点があります。昼間中心の社会のしくみの中で、人より少し早くスタートが切れるということです。そして何よりもいいのは、何をするにも余裕が生まれるということでしょう。

いつもぎりぎりの時間に会社に着いていた人は、余裕を持って出社し、15前に席についてみてください。その日のスケジュールを反芻するもよし、コーヒーを飲みながら午後の会議の書類に日を通すもよし、上司と世間話をするのでもかまいません。追い詰められた気分で出社時問にすべり込む状態に比べれば、精神的にも余裕があり、体全体にエネルギーがみなぎるはずです。

人は心に余裕があれば、それが自信につながり、歩き方からしやべり方まで変わってきます。たとえば、会議で何かを提案するときも、下調べがきちんとしてあったり、確信しているときにはひと言ひと言が自信に満ちています。

反面、少し不安だったり、勉強不足だったりするとおどおどした態度になり、生彩を欠いてしまい、訴える力もなくなってしまいます。
いくら朝がつらいといっても、たった15分早く起きるだけでいいのです。それだけでも、その先の1日がまったく違うものになります
。ちょっとの努力を1週間続けてみてください。余裕が生まれれば、周りのいろいろなものが目に入り、世界が広がったような気になるものです。ひょっとしたら、世界がこれまでとは遣って見えるかもしれません。

目覚めてもすぐに体は動かない

「朝に弱い」人は、ぎりぎりの時間まで寝ていますが、起きたとなったら、びっくりするほどの猛スピードで身じたくをし、家を出るという特技を持っています。
それはそれで立派なことですが、残念ながら、身じたくはできても、体の中はそんなにすぐには動けないのです。

まず、胃腸です。起きて牛乳などを飲み、朝食を食べ終わったころ、やっとウンチがしたくなります。しかし、起きてすぐに家を飛び出したのでは、胃腸が活発に動き出すのは会社に着くころです。出かける前に牛乳を飲んだのはいいけれど、電車の中でトイレに行きたくなり、冷や汗をかいたという詰もあります。

睡眠と腸の働き | 眠りの悩みを解消しよう!によると夕食を早く済ませ空腹で眠るのがベストだそうです。また、夜遅い時間に食べている人の腸は汚れがちだそうですので、こういったことも朝、起きられない要因になるかもしれません。

脳や体の各器官にしても、起きてすぐに活発に動き出すわけではありません。シャワーを浴びたり、朝食を食べたりという刺激によって、少しずつ動き始めるのです。できれば、出かける1時間前には起きたいものです。この1時間で、体は万全の準備を整えることができるのです。

朝、起きて、夜、眠る仕組みになっている

朝起きて夜眠ることで、体内時計は1日のリズムを刻む

忙しいとき、1日がもう少し長かったらなぁと思うのはみんな一緒です。残業のあとで映画にも行けるし、朝もゆっくり眠れるはずです。
悲しいかな、わたしたちは1一日24時間という単位の中で生きる以外の選択肢はありません。

では、その24時間の中で、人はなぜ朝になると目覚め、昼間は活動し、夜になると眠くなるのでしょう。それは、体の中にリズムを刻む時計が備わり、指示を与えているからです。
これが、いわゆる「体内時計」です。体内時計は、朝と夜のセットで1日という認識をしています。そして、光によってそれを感知しています。明るいところにいれば、ここは昼だなと思い、暗いところで眠ると、ここは夜だなと思うわけです。

このセットによって、1日が経過したと判断します。体内時計の周期は24時間ではなく25時間です。したがって、光がまったく入らず、温度もー定のほら穴で時間を知らずに生活すると、1日1時間ずつ時間がずれてしまいます。

つまり、12日後に真夜中の12時と正午が逆転し、24日後に元に戻るのです。もし、体内時計のままに1日を送れば、日付や時間の単位がずれてしまい、混乱を招くでしょう。そこで、わたしたちは社会の時間の動きに合わせて、毎朝体内時計を一時間ずつ早めるようにしているのです。とはいえ、毎朝体内時計に変化が起こっているわけではありません。いつもの時間に目覚まし時計が鳴り、目をこすりながら起きることで、1時間の調整を行なっているということです。

この一時間の修正に、光は欠かせない要素です。太古の昔から、体は陽が昇れば夜が終わったと認識してきたのですから、雨戸やカーテンを開けて朝の光を感じることで、目覚まし時計で叩き起こされた体が目覚めていくわけです。

朝起きられないのは、体の中の自然破壊

人は昔から、この体内時計のリズムに合わせて生活をしてきました。体内時計のリズムは、もともとは「日の出」と「日の入り」という太陽の周期に関係していたのだろうといわれています。昼間の明るいうちに活動し、夜の暗闇は静かに身を潜め、獣などの攻撃から逃れようとした太古の生活のリズムが、長年のあいだにすっかり体に備わったのでしょう。

ところが、いつからか夜眠れないとか、朝起きられないという人たちが出現しました。これは、体の中の自然破壊ともいえるでしょう。本来の体内時計からいえば、陽が昇ると同時に目覚め、陽が沈むと同時に眠りにつくのが本当です。しかし、今は朝起きるといっても、陽が昇ってからずいぶん時間が過ぎています。

人は、時代が進むとともに、社会のしくみに応じて体内時計を四〜五時間ずらしてきたわけです。現在、環境問題は地球にとって重要なテーマになっています。森林の伐採が地球にどういう影響を及ぼすのかが、すぐにはわからなかったからこそ、今たいへんな問題になっているのではないでしょうか。

「体の中の自然」も同じです。夜中まで起きている日があれば、昼過ぎまで眠っている日もあるという、体内時計に反した生活をしていても、すぐに体に影響が出るわけではありません。しかし、徐々に破壊され、気がついたときには眠気を感じとるセンサーも、朝日覚めるセンサーもおかしくなって、いつ眠っていつ起きればいいのかが、体自身ですらわからなくなってしまうこともありうるのです。

眠りのリズムは体のリズムと連動している

体内時計は、睡眠と覚醒のためだけに作動しているのではありません。トイレに行きたくなったり、お腹が空いたり、血圧や体温が上がったり下がったりすることを含む、すべての生体のリズムを刻んでいるのです。これを「サーカディアンリズム」といいます。
このサーカディアンリズムは、体の各器官で個々になりたっているわけではなく、すべての器官がバランスをとって、まわるようになっています。したがって、どれか1つに狂いが生じると、すべてがおかしくなってしまうのです。

なかでも、体温は眠りと深く関係しています。たとえば、「熱がある」というのは、平熱よりも熱があるということです。つまり、それぞれに自分の平均体温があるわけですが、この平熱も一1日中一定なのではなく、睡眠と覚醒のリズムと連動して、上がったり下がったりしているのです。

通常、体温は明け方5~7時くらいに最も低くなり、起きてから徐々に上がります。そして夜の九時〜十一時くらいになるとピークに達し、下がり始めたころ眠くなります。眠っているあいだに下がり続けて、明け方最低になり、起きると再び上がるというリズムで、毎日動いています。もちろん、朝型、夜型というように、人によって多少のずれはありますが、だいたいこのようなリズムを刻んでいます。逆にいえば、体温が低いときは眠いし、高いときは目覚めるという体の状態になっているのです。そのため、夜のほうが朝より快適に眠りやすいし、朝のほうが目覚めやすいのです。にもかかわらず、深夜になって体温が下がっているのに、夜更かしをして明け方になつてから眠るような生活パターンでは、朝になって体温が上がっていてもなかなか目覚めることができません。
また、昼ごろまで寝ていた日は、体温が下がったからといって、いつもと同じ時間に寝つけるはずもないでしょう。

朝起きて夜眠ることで、体全体のバランスは保たれている

結局、睡眠と覚醒というリズムがおかしくなることで、体温、食欲、排壮、血圧、各種の神経系統などのすべてのリズムを崩してしまうことにもなりかねません。仕事がら、朝起きて夜眠るわけにはいかない人たちもいます。

たとえば、夜にお店をやっている人、月の半分くらいは海外出張に行く人、飛行機の国際線に乗務する人、夜勤の警備員や看護師さん、コンビニエンスストアの店員などです。現代は多くの人が、畳も夜もない生活をしています。

夜なら夜だけという仕事ならまだいいのですが、国際線のパイロットや客室乗務員などは、常にいろいろな国の時間で生活しなければなりませんから、毎日不規則な生活を強いられているようなものです。これでは、しだいに体も混乱し、さまざまなリズムが狂ってしまうでしょう。そのための対応策として、外国にいるときでも日本時間に合わせて寝起きをしているそうです。
そうしなければ、日本に帰ってきたときに調子が悪くなるといいます。看護師さんも日勤と夜勤が入りまじっていますから、体のリズムを壊しやすい仕事です。
看護師さんの中には、仮眠などで調整をし、昼と夜のリズムを壊さないようにしている人も多いようです。

血圧、ホルモン、体温などは自分で調整するのはとても難しいものです。けれども、いつ眠っていつ起きるかなら、自分でもコントロールできます。ですから、生体のリズムをスムーズに回転させるには、睡眠と覚醒をしっかりおさえればいいともいうことができます。
つまり、朝起きて夜眠るという生体の自然のリズムは、完堅なまでに体のバランスを保っているというわけです。

夜眠らないと睡眠時聞が少なくなるだけ

社会の時間帯は昼間が中心ですから、銀行に行く、郵便局に行くなど、日中のうちにすませなければならないことは数多くあります。

長年夜の仕事がメインになるスナックのママをやっている人がいます。お店が終わるのが夜中の3時、そのあと片付けをしていると、寝るのが毎朝5時とか6時になるそうです。それでも、毎日朝の十10時時くらいには起きるというので、「睡眠が足りないでしょう」と尋ねると、昼間のお付き合いがあるので、眠っているわけにはいかないといいます。

社会とずれた時間帯ではあるけれど、自分にとっては規則正しい生活をしようと思っても、先方の都合で昼間寝ていられないということもあるはずです。

ですから、夜寝ておかないと、結局、睡眠時間が少なくなってしまいます。また、今の社会の時間帯の中では、夜眠ったほうが規則正しい睡眠がとりやすいともいえます。毎日規則正しく、朝寝て夕方起きている人でも、休日にはデートをしたり、家族と出かけることもあるでしょう。

もし、デートの相手が日中に会社に勤めている人なら、遊園地やピクニックに行こうと思えば、待ち合わせは午前の10時ごろになるはずです。普段ならぐっすり眠っている時間帯ですから、体は時差ボケの状態で、今が昼なのか夜なのか混乱してしまうでしょう。
規則正しい生活ならば、いつ寝ていつ起きてもいいような気がするかもしれませんが、昼間中心の社会では、そのリズムで365日を送ろうとしても、思うようにはできません。
ことに、夜起きている人には、昼間も何かと起きていなければならない場合も多く、不規則で、睡眠時間も少なくなりがちです。ですから、日本で生活している以上、朝は起きて夜は寝たほうが、寝やすいし起きやすいということになります。

理想的な睡眠

適切な睡眠時間

睡眠時間は個人、個人それぞれ異なります。毎日5時間ぐらいの睡眠でも平気だという人もいれば、8時間以上は眠らないと頭がちゃんと機能しない人もいます。

これは、それぞれの睡眠のリズムに個人差があるからです。一般的には、レム睡眠のときに目覚めたほうが、ノンレム睡眠の深い眠りから目覚めるよりはすっきりするといいます。

長時間、眠ったばずなのに、起きてみるとぼーっとして目覚めが悪いというのは、深い眠りの状麿のときに起こされたからです。そのような人には、レム睡眠のときに目覚める産眠時間が合っているということにもなります。

眠りの周期は、ノンレム睡眠とレム睡眠がセットとをり、約90分を単位として何度も訪れます。しかし、これは「平均」でこのくらいという数字ですから、当然、多少の誤差が出るでしょう。

睡眠時間は何時間とこだわり過ぎるは意味がありません。むしろ、自分にはどのくらいの睡眠が必要なのかを検討してみるほうが大切です。

「朝に弱い」人は、長い睡眠時間をとらないと疲れがとれないというタイプがほとんどです。かといって、「朝に弱い」から人より長く睡眠時間が必要かといえば、そうともいえません。

怠惰心や無気力が、目覚めを悪くしていることも十分に考えられます。寝過ぎは、かえって体調を悪くする場合もあるのです。また、熟睡できたかどうかも問題です。明け方からお昼過ぎまで、10時間近く眠ったとしても、朝になれば鳥も鳴き出し、道路を走る車の青も聞こえてきます
。騒音の中では深い眠りが得られないから…と、長く眠っても疲れた状態は解消されないでしょう。これらの点を踏まえると、適度な睡眠時間は7時間程度といえます。

「朝に弱い」人なら、それにプラス1時間。「朝に弱い」人の多くは、長時間眠らないとダメだといいながら、前の晩に夜更かしをして、睡眠時間が足りなくなるというパターンに陥りがちです。時間にこだわる必要はありませんが、気持ちよく目覚るためのいちばんよい方法は、「夜きちんと眠る」ことですから、いきなり短時間睡眠で起きようとしても無理が生じます。

眠り方しだいで4時間睡眠でも平気だという人もいます。忙しくて、どうしても睡眠時間を削らなければならないときなどは、一時的な緊張感のために4時間睡眠でも大丈夫でしょう。もっとも、まれには4時間でちょうどいいという人もいるかもしれません。しかし、毎日のことですから、睡眠はやはり7時間程度はとったほうが望ましいといえます。

二度寝は、逆にだるくなる

朝、ぎりぎりの時間に家を出ることになるのは、目覚まし時計をぎりぎりにセットしているからと考えがちです。しかし、実際は、家を出る1時間前にセットして、一度はその強烈な音に起こされるのだけれども、あと5分だけ…が、10分、15分、30分になり、結局あわてて飛び起きるというパターンが多いのではないでしょうか。
二度寝をすると、そのぶん疲れがとれるのかといえば、そうでもないのです。

眠りというのは、ノンレム睡眠がだんだん深くなり、次にレム睡眠が現れるといぅ繰り返しを90分周期で繰り返しています。ですから、一度起きると、この周期は、再度90分を1セットとして最初から繰り返されるのです。

たとえば、ノンレム睡眠の深い眠りのときに目覚まし時計で叩き起こされたとします。突然深い眠りを断ち切られたのですから、意識も膜臆としています。ですが、もう少しだけ… … と二度寝をしても、元の深いノンレム睡眠に戻るわけではありません。また最初の浅い眠りから始まるのです。つまり、あと五5分、10分…という二度寝は、いたずらに浅い眠りをプラスしているだけで、すっきりと目覚めることはできません。いずれにせよ、目覚めが悪いのですから、目覚まし時計が鳴ったときに起きたほうが余裕も生まれ、よい1日のスタートが切れるのです。
時間だけでなく「眠りの質」も
「睡眠時間は7時間程度」は必要だといいましたが、時間だけでなく「眠りの質」も重要なポイントです。通常の睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠1セットが約90分周期で繰り返されます。

ですが、何かの影響でノンレム睡眠のときに深い眠りに移行できなかったり、レム睡眠の際に目が覚めたりすると、通常の周期で睡眠することができなくなり、眠りの質が悪くなります。その原因として、まず考えられるのは眠る環境です。浅い眠りの段階では音や光に反応しますから、うるさいところで眠れば目が覚めたり、深い眠りに移行しをいケースがあります。ですから、昼間より夜のほうが、眠りの環境としてはずっといいわけです。

また、暑過ぎたり寒過ぎたりしても同様です。ふとんが重い、枕が固いなど、寝具もこの環境に影響します。では、環境が整っている場合は、どうすれば熟睡できるのでしょうか。

一般的には、眠る前に起きている時間が長いほど深いノンレム睡眠の量が増えて、ぐっすり眠れるといわれています。たとえば、1日8時間は睡眠が必要だという人が、たまたま一晩徹夜をしなければならなかったとします。通常の倍の時間起きていたのですから、当然眠りは深くなります。起きて活動している時間の山が高ければ、眠りの谷も深くなるということです。もっとも、あまり山が高過ぎると、谷がないまま1日が終わり、翌日にやっと谷がくるという不規則な状態になってしまいます。これでは、熟睡する時間がなくなってしまいますから、やはり質の高い睡眠とはいえません。

つまり、朝早く起きれば、夜もぐっすり熟睡できるということです。昼寝をしたり、夜うたた寝をしてしまうと寝つきが悪いというのは、起きている時間が短くなるからです。

眠りとは?

睡眠にもさまざまな種類がある

心地よく眠れない人が増えたり、眠りに村する障害が話題になるようになったのは、ここ数十年です。それまでは、眠りとは何なのか、人はなぜ眠るのだろうかなどとは、あまり考えることもありませんでした。
したがって、睡眠に関する研究も遅れていましたから、現在、いざ眠りとは何かと考えてみると、そのメカニズムはまだまだ解明されていない部分が多いのです。

それほど複雑で、謎が多いといえます。ですが、簡単にいえば、睡眠と覚醒をコントロールしているのは脳だということができます。しかも、睡眠時と覚醒時に働く脳はそれぞれ違うのです。起きているときは、脳はさまざまな刺激に反応するような態勢になつています。したがって、わたしたちは意識もあるし、体も緊張しています。反対に、眠っているときは、そのときのことを何も覚えていないことからもわかるように、無意識で体しかんもだらりと弛緩しています。

しかし、もし眠っているときに、脳がいっさいの刺激に反応しなくなったとしたら、わたしたちは死んでしまいます。睡眠のあいだにも起きて働いてくれる部分があるから、生命が維持できるのです。また、わたしたちは眠気を感じて眠りにつきますが、その眠気の信号を送っているのも脳の、ある部分です。睡眠と覚醒とは、脳によってコントロールされているのですから、脳波を測定することで、眠りの一端を知ることができるわけです。

当然、眠っているときと起きているときの脳波は違います。そして眠っているときでも、脳波は一定の動きではなく変化しているのです。このことは、睡眠にもいろいろな種類があることを示しています。

レム睡眠とノンレム睡眠

自分が眠っているあいだのことを、だれも自覚することはできません。いつから眠りに入ったのかを明確に規定するのも困難であり、意識はあるような気がするけれども体が思うように動かないといった金縛り状態のときは、自分が目覚めていたのか眠っていたのかも、はっきりとはわからない感じもします。

それは、眠るということが、覚醒からパタツと睡眠に入り、またぱたっと起きるという単純なことではないからでしょう。

ひと口に睡眠といっても、大きく分けると、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2種類の眠りがあります。「レム」とは「急速な眼球の運動」という意味です。
眠っているのに目玉がきょろきょろと動き、脳波も目覚めているかのような波型に変化する時間帯があります。そして、この状態の眠りをレム睡眠、そうではない場合をノンレム睡眠といいます。

わたしたちが眠りにつくとき、まずノンレム睡眠が訪れます。ノンレム睡眠は、脳波が大きくゆっくり振動している状態で、眠りの深さによって4段階に分かれます。第一段階ではまだ浅く、それがだんだんと深くなって第4四段階まで移行するのですが、その変化のようすは、脳波の動きを見ればわかります。
起きていて脳が活発に活動しているときは、ベータ波という波が出ています。そして、瞑想状態のように目を閉じてリラックスし、落ち着いた状態のときは、アルファー波が出ます。だんだん眠りを感じてくるとシータ波が出るようになり、眠りに入ると紡錘波といわれる波が出ます。
さらに、深い睡眠に入ると、デルタ波がたくさん出ます。

1セット90分の睡眠周期が繰り返される

眠りについてから深くなるまで、脳波は次のように変化していきます。第一段階は、横になって静かに日を閉じ、うとうとしてきたころです。
呼吸や心拍などは多少遅くなりますが、規則正しく繰り返され、目を覚ましても眠っていたのかさえはっきりとはわからないくらいの「寝入りばな」です。

深夜にビデオやDVDなどを観ていて、一瞬うとうとしてしまったというのもこの段階です。ここで眠ってしまえば、徐々に深い眠りに入っていきます。
ところが、ビデオやDVDを最後まで観たいがために、一旦停止にして冷たい飲み物などを飲み、また観始めると、今度はビデオやD VDが終わっても目がさえて眠れなくなるのです。

そのようなことがなければ、通常は第一段階のあと、すぐ第二段階に移行します。ただし、この第二段階も眠りはまだ浅いので、物音などで脳波は反応し、声をかけられれば起きてしまいます。第三、第四段階に入ると、名前を呼ばれても、物音がしても、簡単には目を覚まさず、無理やり起こされても、一瞬何が起こったのかわからないくらいの深い眠りになります。

この段階で子供を起こすと、泣き出したり、夢遊病者のようにふらふらと歩きますが、あとになっても覚えていないくらいです。これがノンレム睡眠の変化です。このあとにレム睡眠が現れ、眼球は急速に動き、脳波は速く、目が覚めているような状態を示します。にもかかわらず、体は弛緩し、金縛りのときのように思うようには動きません。
脈拍数は多くなり、呼吸は浅く不規則になります。人間の眠りには、ノンレム睡眠がだんだんと深くなり、そのあとレム睡眠が訪れるという1セットが、約90分を単位として、一晩に何度も周期的に訪れます。
たとえば、一晩に8時間眠ったとすると、この90分1セットの睡眠周期が5回線り返されていることになります。

人が眠らないと生きていけないのは?

食欲、性欲、睡眠欲は、欠くことのできない三大欲求だなどとよくいいます。なかでも、眠らせないことが拷問にまでなるくらいですから、人間の睡眠欲は非常に大きいものです。

ですが、わたしたちは、なぜ眠らなければ生きていけないのでしょう。残念ながら、この疑問はいまだに研究中であり、明確に説明することはできません。
ただ、現在考えられることは、眠ることは、単に体を休息させるというよりも、大脳を休ませる役割が大きいということです。体を休息させるだけなら、横になるだけでもいいはずです。それなのに、一日中体を動かさなくても眠くなるのですから、休むのは脳だと考えてもいいのかもしれません。
休むといっても、すべての脳が活動を停止するというわけではありません。それでは生命が維持できませんから、意識がないだけで、眠っているときでも、脳の、ある部分は働いているわけです。

当然ですが、わたしたちは眠ると疲れがとれ、元気になります。眠っているあいだに疲労を回復し、さらに体内でエネルギーを蓄えているのです。

「軽い風邪ならあたたかくして寝ていれば治る」というのも、安静にしていればエネルギーを消費しないばかりか、快適な睡眠のあいだに、・本来人間が持っている免疫力が強化されているからです。
ちなみに風邪を自分の免疫力で尚したい場合は、睡眠以外に体を温めることも重要です。
また、人間の発育を促す成長ホルモンも眠っているあいだに分泌されます。「寝る子は育つ」というのは本当なのです。眠っているあいだであっても、脳や体はすべて休んでいるわけではなく、起きているときとは違う、眠りのための働きをしています。ですから、眠くなるのは、力を使い果たし、それ以上動けなくなるからではありません。

1日のリズムの中に、起きて活動するパターンと静かに休ませるパターンがあり、睡眠は休ませる役割をになっているのです。つまり、起きているときと眠っているときが交互に訪れることで、体のバランスがとれるようになっているのです。起きることも眠ることも、自然のメカニズムといえます。

朝に弱いことが原因のトラブル

なぜ、朝早く起きるのか?

昔は、「朝に弱い」といえば、単なる怠け痛くらいに思われていました。現在では、多くの人が、さまざまな理由によって朝起きることに苦労しているようです。

それは、文明が進歩し、昼夜の別のない生活ができるようになったために、本来人間が持っている、夜は眠って朝は目覚めるという体のリズムがおかしくなってきているせいだという皮肉な理由もあります。

もともとは陽が昇ると起きて陽が沈むと眠っていたのですから、そのころから比べれば、今は4~5時間は、ずれた生活をしているともいえます。それならば、あと1時間眠ったとしても、人間本来のリズムが狂うこともないだろう、せめて1時間、いや、30分でいいから眠っていられればと思っている人も多いはずです。

このように悩んでいる人が多いのに、なぜ朝早く起きなければいけないのでしょうか。この素朴な疑問の答えは簡単です。社会のしくみが午前9時から午後5時までという時間帯を中心に動くようになっているからです。
これが午前11時から午後七7時だとしたら、いつもより一時間遅く起きても、朝食をすませてから余裕を持って出勤できるでしょう。

、寝る時間もさらに遅くなり、午前9時に起きるのがつらいということにもなりかねませんが。

日本では、郵便局、市役所などの公共機関、銀行、デパート、さまざまな会社など、ほとんどの機関が稼働するのは、午前9時から午後5時、遅くとも午後7時のあいだです。
そして、午後5時以降に、居酒屋やスナック、クラブなどの遊びやくつろぎのエリアが始動します。

昔のTV-CMに「五5時まで男」と「5時から男」というのがありましたが、まさに午後5時を区切りに、活動の時間帯とくつろぎの時間帯とが分かれるという社会なのです。体のリズムに合った生活をするためだけなら、毎朝7時ではなく8時に起きてもいいでしょう。

にもかかわらず、7時に起きなくてはならないのは、9時には会社に出勤しなければならないからです。つまり、社会のしくみを優先させた生活を強いられているのです。このような社会で生きていくには、朝早く起きられないとさまざまな問題が生じます。遅刻ばかりしていれば借用を失うし、午前中ぼーっとしていては仕事の能率が上がりません。したがって、社会生活に適応できない人とみなされてしまいます。そもそも、本人が毎朝つらい思いをしなければならないなど、それだけでもつまらない話です。
そのうえ、朝起きられないというだけで、さまざまな損をしてしまうことになるのです。

朝リラックスする時間がないので便秘になった

朝起きてから何分くらいで家を出ているでしょうか?できることなら、シャワーを浴びて朝食をとり、そのあと少しゆっくりしてから出かけたいと思いませんか。それなのに、あと5分でいいから眠っていたい…という気持ちについつい負けてしまい、結局、ぎりぎりの時間に飛び起きて、急いで顔を洗って家を飛び出すという生活パターンの人も多いのではないでしょうか。

たしかに遅刻さえしなければ、会社では文句をいわれることもないでしょう。しかし、朝のリラックスタイムがないということは、体のバランスにはとてもよくないのです。

その理由の1つに便秘になりやすいことがあります。みなさんも経験からおわかりかもしれません、便意を催すのは、たいてい朝です。
毎日二度から三度食事をとるのに、どうして時間のない朝にトイレに行きたくなるのだろうと思いませんか。ロに入った食べ物が24時間かかってウンチになるとしたら、夕食後にトイレタイムが来てもいいような気もしますが、朝ウンチをしたくなるのは、きちんとした理由があるのです。

朝、目覚めるのは、意識だけではありません。体のあらゆる器官についても同様です。眠っているあいだ、体はすっかり活動を停止しているわけではないのですが、かなりトーンダウンしています。寝る前にお腹いっぱい食べると、あくる朝胃が重くもたれてしまうのは、眠っているあいだは胃や腸が起きているときのような活動をしていないからです。そのために食べたものを翌朝までに消化しきれず、胃に残しているので、胃が重いという症状になります。

きると、意識とともに体が目覚め、さあ、朝だ… とばかりに胃腸も活動を始めます。しかし、寝起きがいい人と悪い人がいるように、胃腸もいつもぱっと元気よく目覚めるとは限りません。起きてからしばらくは、ぼーっとしていることもあるのです。便秘には寝起きに冷たい水や牛乳を飲むといいというのは、この刺激で胃腸を目覚めさせることができるからです。

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ウンチをがまんすると、便意のセンサーが鈍ってしまう

便意というのは、直腸に便が入ると催すしくみになっています。ですから、朝起きて、胃や腸が目覚めていれば、自然とトイレに行きたくなるはずです。
しかし、目覚まし時計で飛び起き、シャワーを浴びる時間もなく、軽く洗面だけして家を飛び出すような生活では、「胃腸の目覚まし」代わりの牛乳一杯を飲む時間もありません。せめて駅で缶コーヒーでもと思っても、時間がぎりぎりだから、到着した電車に走って乗り込むような始末。会社にたどり着いてやっとひと息つき、そのときに飲む一杯のお茶やコーヒーが、最初の飲み物ということも十分考えられます。

したがって、朝ぎりぎりの時間に起きる人は、「さあ仕事が始まるぞ」というころになってから、胃や腸がやっと目を覚まして動き出すのでトイレに行きたくなるのです。

かといって、会社でウンチはしにくいものです。特に女性の場合、多少の便意ならがまんしてしまう人も少なくありません。それが便秘の元になります。わたしたちは、通常1日に1回は排便します。しかし、そうしてがまんしているうちに、便意のセンサーが鈍ってしまい、便が直腸に下がってきても便意を感じにくくなります。

そのうち便が硬くて出にくくなり、トイレで30分たっても出ないというような状態になってしまいます。さらに、何とか出たとしても、ころころした硬い便が数個だけで、その奥にある便までは出ないのです。

便が硬くなるのは、便意のセンサーが鈍ってきていて、軟らかい便がころころの硬い便になるまで感じないからです。対症療法として、便秘薬を飲んだり、浣腸をしたりする人も多いでしょう。

ですが、腸のセンサーがころころの硬い便になるまで感じないほど鈍っているのですから、そのときは便が出ても、また次からは硬くならないと出ないという状態が続きます。

快食、快眠、快便とはよくいったもので、便秘というのは本当に不快です。不快なだけならまだいいのですが、考えている以上に体のバランスを崩してもいます。

特に女性は肌に吹き出物などが出て、新たな悩みが生まれます。ぎりぎりの時間に起きて会社に駆け込むような人は、30分でも早く起き、トイレをすませてから出社することをおすすめします。朝のトイレタイムを持てるか持てないかで、毎日の心身の快適度がまったく違うのです。それが実感できるようになると、毎日便秘で苦しむよりは、少々無理をしてでも朝起きることのほうが、ずっと楽だと思うに違いありません。

朝、起きられない人は太る

朝が苦手だという人は、1分でも余分に眠っていたいのですから、家を出るぎりぎりの時間まで眠り、朝食を食べずに出社するという人がほとんどでしょう。

また、大学生やフリーターなど、時間が自由になる人であっても、寝起きの悪い人は胃腸の寝起きも悪く、起きてすぐにはものを食べられないという人が多いのです。

社会人の人なら、朝食を抜けば昼休みまで何も食べられませんから、朝起きて4時間以上、何もお腹に入れないことになります。お昼になればさすがにお腹が空くけれど、たった1時間の昼休みで、たらふくお腹をいっぱいにしようという人はいないでしょう。近くのレストランのランチ、あるいはおにぎりやサンドイッチで簡単にすませてしまいます。
それでも、とりあえず1回目の食事ですから、そこそこお腹がいっぱいになります。そして仕事に戻り、3時にコーヒータイムでお菓子を食べるくらいで夕食を迎えます。問題はそのあとです。
まっすぐ帰宅して家で夕食を食べる場合、その日は会社でお昼を1食しか食べていないのですから、かき込むようにがつがつと食べてしまいます。これでは、1 日の食事の中で夕食の比重が重くなってしまいます。

しかも、お腹はいっばいなのに、心の空腹感が消えず、しばらくするとお菓子に手が伸びることもあるでしょう。帰宅の前に同僚の何人かと飲みに行った場合でも、さんざん飲んで食べたのに、つい帰りにラーメンを…ということにもなります。

このようにバランスの悪い食生活は、時間が自由になる人であれば、もっと顕著に現れます。お昼に起きて、3時ごろ昼食。夕飯時には軽く食べておいて、夜中に夜食というパターンです。人間の体はリズムを持って生活しているのですから、朝起きるのが遅かったり朝食を食べ損ねたりすれば、そのぶん、通常のリズムより後ろにずれていることになります。

ですから、夜遅くなり、本来ならもう胃腸も休息する時間なのに、お腹が空くのです。ここで夜食をとるかどうかが、女性にとっての悩みの種となるはずです。女性の方ならご存じでしょうが、太る原因の最たるものは、「遅い時間に食べる」ことです。モデルクラブなどでは、食事の制限はしなくても、夜8時を過ぎたら絶対に何も食べてはいけないと指導しているところもあるほどです。
逆にいうと、朝早く飛び起き、昼間めいっばい活動すれば、夜更かしして遅い時間に食事をとることがなくなり、少々のダイエットより効果があるかもしれません。

生理不順の原因は不規則な睡眠時間が原因

生理不順というと、すぐに頭に浮かぶのは、ホルモンの異常や婦人科系のトラブルです。しかし、案外身近にも原因があるのです。
人間の体は、サーカディアンリズムという生体のリズムにのっとって活動しています。このリズムを刻んでいるのが体内時計ですが、体内時計は朝が来て夜が来て1日というように、朝の訪れを感知することで1日がスタートしたものと数えます。

そして、女性の生理は、この1日が約28回来ることで1つの周期を刻んでいます。ですから、週末だからと徹夜して朝に眠り、夕方起き出して朝方まで眠れず、次の日はデートで昼には起きて…という不規則な生活では、体内時計はいつが朝でいつが夜なのかわからなくなり、実際には朝が来て夜が来て1日たっているのに、体内時計では1日をカウントしないということになります。
そうなると、体内時計が数える日数と実際の日数のあいだに大きなずれが生じ、生理の周期もずれてしまうのです。

最近の若い女性に生理不順の人が多いのも、不規則な生活が原因という場合が多いかもしれません。多少、生理が不順だったとしても、体への影響はとりたててないでしょう。けれども、生理の周期が狂うということは、女性の体の機能に狂いが生じているということなのです。
逆に、そのせいでホルモンや自律神経に影響しないとも限りません。痛いとか、熱があるという形で現れなくとも、体のバランスが崩れれば、体の各器官にさまざまな影響があります。

こんなところからも、眠りと覚醒のリズムにのっとり、朝起きて夜眠るというのが、実はどんなに重要なことかおわかりいただけると思います。

毎日遅刻すれすれ、通勤時のいらいらが思わぬストレスに

遅刻すれすれの時間まで眠っている人は、起きてから猛スピードで身じたくをして脱兎のごとく家を飛び出し、会社にすべり込むという毎日です。たまにであれば、「あー間に合った」と胸をなでおろせばいいのですが、毎日がこんなパターンでは、精神的にもかなりの負担がかかります。

毎日のことですから、この電車ならぎりぎりOK、次の電車なら遅刻すれすれと、電車の時間はわかっているという人もいるかもしれません。しかし、バスなら道路の混み具合によって数分の誤差が出ます。

また、晴れや雨の日など天気によって、歩くスピードにも多少の差が出るでしょう。とにかくぎりぎりですから、少しの誤差も許されないだけに、前をゆっくり歩いている人がいれば先に進めず、いらいらするでしょう。

人ごみを走り抜けようと思えば、人にぶつかりそうになり、前を見てさっさと歩けなどといいたくなったことはありませんか。遅刻すれすれまで眠っていると、会社に着くまでのこの間、ずっと、時計とにらめっこで、いらいらした気分で過ごすことになります。

この毎朝のいらいら気分だけでも、積もり積もれば大きなストレスになります。通勤=「いらいら気分」ですから、寝坊の自分を棚に上げ、会社に行くのが嫌になるという人もいるくらいです。こうした朝からのいらいら気分は、その場の不快感だけでなく、仕事にも影響します。

息を切って駆けつけた状態では、すぐに頭は働きません。何をするときでも同じことですが、精神を落ち着かせるまでには時間が必要です。
ぎりぎりに駆け込んでいては、少なくとも、そのぶんロスタイムになります。到着してすぐに会議が始まるときなど、なおさらです。精神を落ち着けるのに時間がかかり、なかなかふだんの自分の頭に戻りません。
結局、いいアイデアも出ず、会議でもさえない発言しかできずに終わることになります。朝起きるのが人より遅いということは、1日の始まりで出遅れているのです。

朝のいらいらが仕事の能率を下げる

成績はたいへん優秀で頭もよく、第一志望の大手メーカーに就職も決まりました。その彼のたった1つの欠点が、「朝に弱い」ことだったのです。
昔から夜型人間で、朝起きるのがものすごくつらいというのです。朝はぎりぎりの時間まで寝て、親御さんに起こされて必死に起き、会社に駆け込むという生活が続きました。
社会人としての責任もあり、遅刻はしないのですが、毎日がぎりぎりセーフなのです。それでも入社した最初のうちは、はりきって仕事をするということで、高い評価も受けていました。

しかし、そのうちに同期が1人、2人と新しいプロジェクトなどに抜擢されていくのを悔しい思いで見守ることが多くなりました。そして、ある日彼は、それは自分が人より朝出遅れているせいだと気づいたのだといいます。

「11時くらいまでボーッとしていて、頭がさえないんですよ。会議に出ても集中できないし、積極的に仕事に取り組む気が起きないんです。それで、昼休みが終わってしばらくすると、やっと自分のペースになったなって思うんだけど、そこから仕事に馬力をかけても、すぐ退社時間になっちゃうでしょう。

1人の作業なら残業って手もあるけど、上司や相手先のあることだと、あくる日に延びちゃうわけです。これだと仕事の能率も悪くなるし、スタートのタイミングが遅れちゃってるからすべてが後手にまわっちゃって、上司に催促されたりして…。

できないやつって思われちゃったみたいです」彼の場合は、そんな自分に嫌気がさし、どんなにつらくても朝は余裕を持って出社するように心がけました。すると、仕事の能率が上がるのに自分でも驚いたといいます。

「今でも朝はつらいですけど、前よりはだいぶ楽に起きられるようになりました。何事にも慣れってあるんですね」今ではそういって頭をかきます。習慣をつけることで、朝起きることは非常に楽になります。急な坂も、毎日上っていれば苦しさが半減するのと同じことです。朝がつらいのも、毎日早起きしていれば、少しずつ楽になるでしょう。